「米国人の給料をもらい、

日本人の妻を持ち、

英国の家に住み、

中華料理を食べる、

これぞ男の夢の生活」


この有名な欧米ジョーク、

皆様も一度は

お耳にしたことがあると思います。


ちなみにこれは

「しかし一つずれると大変なことになる

というのがオチになり、つまり

「中国人の給料をもらい、

米国人の妻を持ち、

日本の家に住み、

英国料理を食べる、

神よ、私が何をしたというのですか」


まあね・・・

米国人も英国人も日本人も中国人も

このオチについては

色々言いたいことがあると思うんですけどね!


というわけで

何故日本人女性は欧米社会で

『妻にするには最高』みたいな

確固たるイメージを築き上げたのか。


最近会った

香港・台湾・上海の女性達によると

「欧米だけの話じゃない、

アジア圏でも『日本人女性』はステータス」

という状況らしい。本当か。


「女の子は皆、日本人女性みたいに

なれたら嬉しいと思っているし、

男は皆、日本人と

結婚できたら勝ち組って信じている!」

とか熱弁をふるわれました。本当なのか。


で。彼女たちにとって日本人女性ときたら

イコール、『とにかくお洒落』、という印象らしい。


「それはあれか、

着飾ることばかりに執心して頭は空っぽ

だからそのぶん扱いやすい

みたいな悪い意味も含めてのご指摘か」

「何をまた。日本人は男女問わず頭がよくて、

しかも人当たりがいいってのは

世界の共通認識でしょ。

加えて日本人の女の子って優しいしさー、

頭が良くて見た目も良くて

しかもお洒落で気立てがいいって

これはもう女として最強でしょ?」

「・・・いや、悪いな、なんか一人勝ちで!」

「・・・まあね、Norizoと会って私も

日本人女性にも色々いるという真実に

遅ればせながら

気づかせてもらったんだけどね!」


ええ、私はお洒落とは縁遠い人生を

堂々と歩んでいる女。

しかしこんな女でも、いざというときは

お財布を持って

新宿の伊勢丹なり丸井なりに行き

『背の高い人コーナー』の店員さんに

「すみません、私に似合う服を売ってください」

とお願いすればそれなりにどうにかなっていた、

というのもまた真実。


私はね、これは

高度経済成長のおかげだと信じているんです。

それなりに努力すれば

それなりのお金を稼ぐことが出来て

そしてそのそれなりのお金を出して

それなりの場所で買い物をすれば

誰でもそれなりの格好が出来る、という

これは日本の底力を示す事例だと思うのです。


こう考えるとやはり日本は凄いよな、

奇跡の経済復興的な意味で!

家に帰ってわが夫(英国人)に

「というわけで、日本人女性の魅力は、

イコール、日本の経済力の強さ、と

私は思い至ったのですが、どうですか」


夫は私の仮説を黙って聞いた後

「なるほど、面白い視点です。

でも僕の考えは違います。

英国男として口にするには

かなりの勇気が必要な仮説ですが・・・

日本人女性が人気な理由、それはズバリ

ゴハンを作ってくれそうだから』です」


・・・はい?


「僕はフェミニズムに

反対する立場ではないんですけど、

一部のフェミニストの女性は

思想と行動が過激すぎると思うんです。

あるときから英国人女性は

『いい女』、イコール、フェミニスト、

イコール、『食事を作るなんて馬鹿らしいわ、

新時代の女としてそんなことしません』

と主張するようになったんですよ。

僕はね、日本の亭主関白な男性のように

女たるもの厨房にこもるべし、とか

主張したいんじゃないですよ?

でも食事って

人生最大の喜びのひとつじゃないですか!

なんか、そういうことを声高に叫ぶ女性とは

一緒になっても幸せになれない予感がするんです

・・・あ、だからといって

僕は君の料理の腕だけが目当てで

結婚したわけじゃないですよ!」


「いや・・・そんなことは私も思っていないが・・・

というか、私は日本人女性の

平均レベルからすると、たぶん

むしろ料理は得意じゃないほうだと思うのだが・・・

「ほら!あとその謙遜ね!

欧米の女の人って料理が出来ないのに

『あら、作れるけど、作らないだけよ』

とか言うわけですよ!でもさ、日本の人ってさ、

『料理は不得意です、むしろ作れません』

とか言ってものすごく美味しいものを

平然と作ってくれるじゃない?」

「そ・・・そうか・・・?」

「というわけで、フェミニズムの観点からすると

こういうことを主張する僕はゴミかもしれませんが、

日本人が欧米諸国で人気なのは君たちが

急進的フェミニストじゃないからだと思います」


ああ・・・そうきましたか・・・

しかしですね。

夫の言いたいことはわからないでもないのですが、

やはり私は女として急進派フェミニストのことを

「そうだね、彼女達は行き過ぎていて

女性として魅力がないよね」とは言えないんですよ


だって、今の自分の生活の快適さの多くは

そうした攻撃的な闘争を展開してくれた

フェミニスト戦士達過去に存在したから

可能となったことなんですもの。


スカートじゃなくズボンをはけるのも、

選挙権があるのも、就職出来たのも、

セクハラを受けることなく働けたのも、

それは先人の女性たちが、フェミニストが、

世間の人々に嘲笑されながらも

「いや、でもそれは変ですから!」

と強く訴え続けてくれたからじゃないですか。


某田嶋陽子さんのことを一部の女性は

「彼女はやり過ぎ、女として間違っている」

とか笑うわけですけれども、

彼女がああやって極論を展開し

批判の矢面に立ってくれたからこそ

我々は緩やかなフェミニズムの恩恵を

いいとこどりで受けてこられた面も

絶対にあると思うのですよ。


というわけで、

『フェミニストとして料理を作らない』

という女性の気持ちも

私はわからないでもないんです。

むしろ自分だってそれくらいやってもよかった。

では何故やらなかったか。


・・・それは私の食い意地が張っているから・・・


美味しいものが家庭で作れるものならば

それは作ってしまいたい!

そして思う存分味わいたい!


違いますか!(力強く)


謙遜の美徳からすると

こういうことを断言するのはどうかと思うんですけど

だってそこらのパブのランチで出てくる

トマトソーススパゲティより

絶対私のパスタのほうが美味しい!

ローストポークとかあれは豚への冒涜だ!

そもそも付け合せの野菜とか圧倒的に少ないし!

あと、米を!ライスを!

中華風野菜炒めの付け合せに

フライドポテトとかお前ら絶対どこかおかしい!


あれ?ということは、

つまり日本人女性の人気の秘密は

その食い意地にあるということなのか?


どうなんでしょうね。


ちなみに何故突然

こんな微妙なネタを書いたのかというと

先日夫の友人(英国人)が離婚しまして

2ヵ月ばかり絶望の淵を彷徨っていたのが

このたび多少浮上したらしく、

久々に対面した夫に言ったのが

「僕ね、今度は日本人の女性とつきあいたいの

(前妻は英国人)。誰か紹介してもらえない?」


『日本人女性は魅力的だ、

可能ならぜひ一度付き合ってみたい』

という一般論のことは私も

微笑みとともに受け入れられるんですけど

こういうお願いには微妙な気持ちになってしまう

・・・これって何なんでしょうね。


ま、素直に我々の母親世代の日本人女性が

世界基準で素晴らしかったんだろうなあ、と 


それにしても欧米における

日本人女性への幻想は深すぎると思う

レクター博士でさえ、というか

トマス・ハリスでさえ

色々溺れこんでいらっしゃるご様子だしなあ

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