先日私が里帰りをしている間に

アパートの階下の住人が

また入れ替わった模様でして。


今度の人はこれまでの方たちのように

夜の騒音で我々を悩ますことはないんですが

(階下の住人の騒音問題については

過去の記事 をご参照ください)、

ここでまた初心に返ったと申しますか

かなりの音楽好きな御仁が入居なさった様子。


天気のいい週末は窓を開け放して

窓辺に寝椅子とスピーカーを置き

優雅に昼下がりのロック・コンサートを

大音量で開催なさったり、

春の涼やかな夕暮れ時には

またも窓を開け放して

ギターの弾き語りをなさったり・・・

声とギターの腕が

それほど悪くないことだけが救いです。


まあでもそれくらいは

街暮らしの人間として

耐え忍べないこともないんです。


夜はステレオのボリュームを

絞ってくれていますし、

午前中は本当に静かな人たちですし。


ただね。


お昼時にね。


毎日毎日これでもかと

彼らは何故

デスメタルを聴きたがるのか。


デスメタルってね、

聴く人の食欲を明らかに阻害しますよ!


・・・まさか新手のダイエットなのか・・・?


連日休むことなく

お昼の12時15分から1時半にかけ

延々と床下から響くデスボイス

(その後は夕方までずっと

ドラム練習と発声練習が続く。

階下の人はある意味掛け値なしに

真面目な人なんだと思います)。


本日日曜日もお昼になると

階下の住人はいつものように

デスメタルを

スピーカーから響かせ始めたのでした。


・・・で。

週末なので気分も高揚しているのか

奴らめ、1時を過ぎようが2時をまわろうが

プレイヤーの電源を落とす気配がない。


「私、だんだんデスメタルが

嫌いになってきたんですが。

いや、もともと好きでもなかったですけど」

呟く私に、横で夫(英国人)が

「ああ・・・でも僕も一時期

デスメタルは聴いたからなあ・・・

彼らの気持ちはわからないでもないです」


なんでも夫は大学時代

寮の部屋で日々デスメタルを聴き、

それで周囲の他の部屋の人から

たびたび文句を言われていたそうです。


「・・・で、そこで当然

君も心を入れ替えたんだよな、

隣の部屋の人の気持ちを考えて

デスメタルは聴くのを止めたんだよな」

「いいえ、そんな苦情、無視していました」

「おい!」

「だってデスメタルってのがそもそも

『他人の迷惑など気にするな』って

生き方を目指す音楽でしてね」

「お前がそんな人間だったとは・・・!

「いや、あれは

青年の通過儀礼のようなもので・・・

だからまあ階下の子達の気持ちも

僕にはわからないでもないんです、

広い気持ちで許してあげましょう」


そりゃ因果応報とは言いますが

何故お前の因果が

私に報わなくちゃいかんのだよ!


「わかった、この騒音に関しては

君は私の味方でない。

こうなったら私はひとりで闘う」

「君、まさか・・・」

「そう、約5ヵ月間さぼりにさぼっていた

バグパイプの練習を再開する!」


というわけで

久々に手にしましたよ

プラクティス・チャンター(練習用の笛)を。


聴けや、わが未熟な笛の音を!

下手な楽器の哀れな音色というものが

人の耳にはどれだけ不快

貴様らも確かめてみるがいい!


しかし楽器の練習は

日々の積み重ねが大事というのは真実でした

・・・私の頬が10分で白旗を掲げまして。


「だ、駄目だ、頬肉が痙攣する、

今日はもうこれ以上吹けません」

「・・・すごいね、見事に惨敗だね、君」


黙れメタル野郎。


明日のお昼は

バグパイプ攻撃を第一列とし

それでも階下のデスメタルが

勢いを弱めなかった場合

こちらも手加減なしで

軽薄なダンスミュージック+ひとりエアロに

踏み切る決意をここに固めました。


目には目を、歯には歯を、

音楽騒音には音楽騒音を。


見るがいい、私の戦を!

の意気であります。



階下の人たちは実は

職業:DJなんじゃないかと

予想している今日この頃です

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それにしても大学時代

寮で夫の部屋の近くに住んでいた人たちには

妻としてお詫びの言葉もないですわ


だからお前は大学時代

異性に人気がなかったんだよ!と

(大暴言)


皆さんも生活騒音には気をつけましょう


ちなみに階下の隣人の

宵のギター弾き語りについては

あそこまでいくともう

『迷惑』を通り越して『愉快』の域で

私はあんまり気にしていないのでした