私は物が棄てられない女です。


いや、もちろん使用済みの鼻紙とか

玉ねぎの皮とか

そういうものは躊躇なく

ゴミ箱に放り込めるんですけど。


シャツですとか靴ですとか

そういう服飾系のものを

なかなか捨てられないんです。


Tシャツなんて

首周りが穴だらけになっても

「肌に馴染んだこの感触、

これは寝間着として最高です」

くらいの認識で。


まあこの穴あきTシャツの寝間着化については

結婚後に夫(英国人)から

「別に不満とか文句とかそういうことではないし

妻として君に常にセクシーでいて欲しいとか

そういうわがままを言いたいんでもありません、

でも夜寝るときにボロボロの綿シャツを着るのは

なるべく控えていただけませんか、

あの手触り、僕はなんだか悲しくなるんです」

とかなり切々と訴えられた経緯がございまして、

おかげさまで現在

古いTシャツは私の中では

『タートルネックセーターの下に着るもの』

という位置づけになっております。


これで万が一交通事故に遭ったら

救急車の中でものずごく恥ずかしいぞ!

という意識から、家の外での行動が

格段に注意深いものとなり、まさに一石二鳥。

で、袖とか落ちかけた時点で

やっと泣く泣く雑巾にする、という・・・


世間の方は古い洋服とか

どういう風に処分なさっているんでしょう。


そんな私が現在悩んでいるのが

過去9年間愛用してきた

バックパックに別れを告げるべきか否かです。


就職してすぐの頃に

銀座のプランタンで購入。

底が靴入れになっていて

いつもジムに行くときに使っていました。


当時東京とスコットランドで

遠距離恋愛中だった夫のところに

遊びに行くときは

機内持ち込み手荷物として

常に背中に背負っていたものです。

一緒に色々なところに行きました、

京都、広島、沖縄、北海道、

スペイン、カナダ、オランダ・・・

地図もお土産も文庫本も飲み物も

がっつり押し込める頑丈なかばんでした。


それが去年の年末頃でしょうか、

ジッパーの取っ手が

すぐ落ちてしまうようになり。

内側の布地が

気づけばボロボロに剥がれてしまい。

そしてとうとう

表面の布地が裂けてしまいました・・・


それでも意地で使い続けていたのですが

ある日夫が首を横に振り

「もう諦めなくちゃ駄目だよ。

だってこれじゃ大事な荷物を運べないでしょ、

こんなに大きな穴が開いていたら。

スリにも狙われやすいし、

第一こんなかばんを肩にかけてお店に入ったら

こっちが窃盗犯なんじゃないかって疑われちゃうよ」


というわけで去年のクリスマス、

夫は私に新しいバックパックを

プレゼントしてくれたのです。


でも・・・でもね・・・

前のバックパックを捨てられないのです・・・

たぶんもう捨てるしかないっていうのは

頭ではわかっているんですけど・・・


悲しみを紛らわせるために

とりあえず写真を撮ってみました。



スコットランドひきこもり日記-オ、オカルト・・・?


・・・えーと・・・

女の生首を運んでいるんじゃないんですよ、

布地のほつれた部分が

髪の毛みたいに見えちゃっているだけです。


なんとかこのバックパックの

再利用法を考え出したい今日この頃です。



バッグに穴が開いているってのは

致命的かもしれませんが

「ものすごく中のものを取り出しやすい」

というメリットも確かにあるんですよ

の負け惜しみの1クリックを



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自分がこういう別れに弱いことに気づいて以来

私はなるべく物を買わないことにしています


清貧の思想とかそういうのではなく

服とかかばんを

ゴミ箱に入れる瞬間が辛すぎるのです