認知症高齢者の自動車運転を考える 家族介護者のための支援マニュアル | 看護学校 社会人入試・一般入試 受験情報 スコレー・アスコルーのブログ

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先日、国立長寿医療研究センターが、「認知症高齢者の自動車運転を考える 家族介護者のための支援マニュアル」を発表しました。国立長寿医療研究センターホームページに掲載されており、自由にダウンロードできます。

・認知症高齢者の自動車運転を考える 家族介護者のための支援マニュアル

独立行政法人 国立長寿医療研究センター


同マニュアルでは、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、ピック病などの患者の症例を複数挙げて、どのような支援方法があるか、アドバイスしています。
例えば、あるアルツハイマー病の患者へのアドバイスは、次のような感じです。

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早期の説得と介護保険サービスを利用した環境整備により、運転を中止したアルツハイマー病の女性Aさん(70代前半、一人暮らし)の場合

1年ほど前からAさんは、数分前のことを忘れたり日付けを間違えるなどの、もの忘れが目立つようになってきました。病院を受診したところ、初期アルツハイマー病と診断されました。(アルツハイマー病とは?→p14へ)


Aさんは毎日、自宅から少し離れたスーパーマーケットまで自動車を運転し買い物に出かけていましたが、運転中に道に迷うことが多くなりました。(危険な運転行動とは?→p18へ)「自分の知っている道くらいは運転したい」と言っていたAさんでしたが、主治医から、事故の危険性について丁寧な説明を受けると、自分の運転の危険性を理解し、自ら運転を中止しました。(一人暮らしの方への支援介護保険サービスなど地域のサービスを活用しましょう→p27へ)また、運転中止に伴い、介護保険制度のホームヘルプサービスを活用し、買い物や家事の援助を受けました。さらに、運転中止によって活動性が低下しないように、デイサービスにも参加し始めました。(活動性の低下を防ぐために、地域で利用可能な趣味や社会参加の機会を探しましょう→p28へ)


アルツハイマー病の患者さんで、認知機能障害が軽度であれば、運転中止の説得に対する理解が得られやすいため、早めに話し合いをもつことが重要です。

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事例紹介のあとは、認知症についての解説や、認知症患者の運転についての説明などが続きます。運転者が認知症のときの対応などにも触れられています。マニュアルの最後にはフローチャートもついており、流れをおおまかに理解するのによい資料となっています。

内容目次

事例紹介
第1章:認知症の正しい理解
第2章:認知症と運転
第3章:認知症高齢者の自動車の運転に関する法律
第4章:自動車運転に対する人々の意識
第5章:運転者が認知症になったとき
フローチャート:認知症高齢者の自動車運転への対応、考え方


高齢化が進む現在、認知症対策は社会のさまざまな面で重要となっています。認知症運転手の道路の逆走事故や、道がわからなくなって失踪したりする事例もその一例です。そういった場合に、どのような支援策があるのかを把握しておくことは有効です。ページ数も33ページと短いので、電車の行き帰りの時間などに、軽く目を通しておくとよいでしょう。高齢化についての知見を少し増やすことができ、医療時事対策の勉強にもなりますよ。