ケニアの森林は蘇えるか? | ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

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1987年から30年続いたマトマイ二・チルドレンズ・ホーム。その卒園生達と共に、貧しさ故に子どもを困窮状態に追いやっているスラムのシングルマザーの自立援助に力を注いでいます。マトマイニ第2章の始まりです。

マトマイニ・チルドレンズ・ホーム-ドナと畑の木々

ドナルドの左手は枯れかけて青息吐息の

アフリカンオリーブ。

後方は乾燥に強いアカシアの木。




大干ばつで水力発電による電力が46%も減少し、電気が配給制になった。先週から週3日、月水金は朝7時から夕方7時まで電気がない。



被害は広がる一方で、ケニア北部最大のイワソ・ニロ川が干上がったとか、食料危機で学校に行けない小学生が50万人出たとか、牛が数週間で10万頭餓死したとか、大変なニュースばかりだ。



最近ケニアのマスコミで、環境問題を取り上げない日はない。特にマウ・コンプレックス(注)からの立ち退き命令が大論争を巻き起こしている。



ことはギル水大臣の「ケニアの水供給は最低」との発表から始まった。



キバキ大統領「森林を破壊する者は容赦なしに逮捕する」


オディンガ首相「集水域に住む住民2500人は直ちに立ち退きを命ず」


ミチュキ環境大臣「5年以内に国民一人が5本ずつ木を植えれば、失われた緑も戻ってくる。植林に35000の学校、4300の女性グループ、16350の青年団を総動員する」



カジュワン移民大臣「マウの森の破壊は24年に渡るモイ元大統領の政権がやったのだ。モイを逮捕せよ」


モイ元大統領「住民の生活が犠牲になるような立ち退きは許さない。血を見る争いになるぞ」


国会では、「立ち退き命令を出すなら、先に住民に賠償金を払うべきだ」という意見に賛成する議員も多いようだ。



議論はやめて、早く手を打って欲しい。今年3月の大雨期にマウの森が燃えた。お尻に火が付いて、半年たってやっと政府は動き始めたというわけだ。



注:マウ・コンプレックス(複合林)は東アフリカ最大の集水地域として12の河川に水を与えていた。河川はケニアではナクル湖、トルカナ湖、ビクトリア湖、バリンゴ湖に、タンザニアではナトロン湖に注ぎ込んでいる。かつて、ここには多様な固有の樹木が生い茂る豊かな森があった。――3月26日のブログ「消えゆくケニアの森」より――