2015年10月10.11日(土・日)
SayOssプロジェクト
岩手県高体連空手道専門部
場所 岩手県立釜石商工高等学校
参加者数 約70名
講師
(公財)全日本空手道連盟ナショナルチームOB
野口真史、土佐樹誉彦
2011年3月14日に復興支援SayOssプロジェクトがスタートしてはや数年。
本当に沢山の方々のお力添えを頂き、ここまで活動を続けてくることが出来ました。
2011年、釜石には、この時期に初めて入りました。
高校の稽古場が遺体安置所になっていたため、落ち着くまで稽古が出来なかったからです。
街中もまだ爪痕生々しく、自分が知っている街とは全然違う光景が広がっていました。
釜石ではありませんが、場所によっては、昨年になってスーパーのエレベーターから発見されたご遺体もあります。
いざ高校生を目の前にして、中には家を無くし、家族を亡くした子達も混ざっており、何も震災について触れることができず、言葉になりませんでした。
テレビ画面で眺め、ラジオで状況を聴いていただけの人間が、軽々しく何か言える状況ではありませんでした。
ただ空手を一生懸命伝えることに専念したことだけはっきりと覚えています。
数えてみればチャリティーセミナーも各地で沢山の方々のご協力を頂きながら今回で33回目、延べ参加人数7500名超。
これが多いか少ないかは分かりませんが、誰が積み上げたわけではなく、空手界の方々や有志の方々のご協力があり、積み重ねることの出来た数字だと思っています。
その間、時代の流れもあり、子供達がよりナショナルチームの選手に近くなりました。
現役選手がセミナーを行えるようになりました。我々のときに一切出来ませんでした。
直に触れて、直接教われる機会が増えました。
憧れる存在がより身近になりました。
そこにいる選手にしか伝えられないことがあります。
そこまで何かを犠牲にして、頑張ってきたからこそ、その人だけが得たものがあります。
それらをこれからの子供達に伝えられる場、
楽しみながら自然に社会貢献につなげることのできる場、
それらを強さ、優しさに変えて成長していける場
がこの活動だと思っています。
一言で言えば、草の根運動です。
空手にしろ、人生にしろ、何かするのにすぐに花は咲きません。
土地を拓き、耕し、種を蒔き、水をやり、時間をかけて大地にしっかりとした根が張り、茎、蔓が伸び、その間自然の理に耐え忍び、蕾が出来て、そしてやっと花が咲きます。
SayOssプロジェクトは花ではありません。
今後も「花」になることはありません。
空手も、1人の人間も出来上がるまで沢山の時間がかかりますが、そこに無駄なことはなく、しっかりと大地に根を張って、自分の足で歩める、強さと、優しさを持った空手家が世に出て行くきっかけの一つになれば良いなと、、
SayOssプロジェクトはおこがましいですが、ときに踏み固められ、多くの方々の土台、ときには踏み台になれる、、そんな土壌であれば良いなと思っています。
姿、形を変えて、現地には色々な現状がありますが、自分たちにできることをコツコツとやっていこうと、あらためて思う次第です。
まだまだ、これから。
できることからコツコツと。
SayOss
どうか今後ともご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。