坂本龍馬 (岩波新書)
松浦 玲
Amazon.co.jp


◆はじめに◆

大河ドラマ「龍馬伝」は好調だ。

私も龍馬ファンだし、龍馬関連の本は

たくさん読んでいる。


そんな龍馬は、あくまでも小説の龍馬である。

と、異論を唱えるのが本書の作者・松浦玲氏。


確かに偉業を成し遂げたけれど、

本当に司馬遼太郎や津本陽が書いたものが

龍馬の人物像を描いているのだろうか?


龍馬ファンこそ、一読すべし。



◆いきなり海舟批判◆

本書のはじめのページに、

「勝は政治的に天才的なところがあるが、

記録は不得意で、日記には日付の間違いや

重要な事実の欠落が多い」

と書かれている。


海舟は龍馬の師匠であり、

海舟の書いた書物は龍馬を知る上で

極めて重要である。


そんな海舟の文章に間違いがあるのだから、

小説などにも間違いが出てきて当然なのだ。

(もちろん史実はたくさんあり、

小説がどの史実を参考にしたのかによるが)




◆船中八策危うし◆

龍馬が船上で後藤象二郎(のち農商務大臣など)に

提示したとされる国家の基本方針。


実は、海援隊日史にこの船中八策が

出てこないというのだ。


内容の完成度からして、

明治になってから加筆されたとか、

後藤が作ったものだとか言われていた。


海援隊日史には、これとは別に

薩土密約という文が載っている。

内容も船中八策に近い。


実は、船中八策は後世の創作なのか…?



◆ブロガーのあとがき◆

詳しくは本書に譲るとして、

龍馬がどんな人間であったにせよ、

私は龍馬のファンである。


敵対していた薩摩と長州を惹きつけたのは、

龍馬の人柄と、国を思う純粋さだと思う。


アスペルガーという病気だったらしいという説が

あるし、変人的エピソードも残っている。


でも、それでも偉業を成し遂げたのは

本当に畏敬の念を抱くばかりだ。


やはり、彼は私のヒーローだ。