プレゼント | まなちゃんを救う会

プレゼント

いつも私たち家族を温かく励ましてくださり、本当にありがとうございます。

皆様の励ましのおかげで、私たち親子は、病気と闘いながらも明るく前向きな気持ちで過ごせています。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


昨日は、愛に嬉しいプレゼントがありました。シナモンのぬいぐるみと千羽鶴です。

ぬいぐるみは、古淵で募金活動をしていた時に、小学生くらいの女の子が

「まなちゃんにあげてください」とボランティアさんに手渡してくれたものです。

千羽鶴は、夫の会社関係の方が、仕事の合間を縫って作ってくださったものです。

どちらもすぐに愛のお気に入りになりました。抱っこして嬉しそうにしています。

きっと、そのものに込められているメッセージが、愛に伝わっているからなのでしょう。

これからもずっと大切にしたいと思います。


実は私も最初の入院の時に、千羽鶴を折ろうとして折り紙を用意していました。

でも、日々の看病におわれ、結局ほとんど折ることはできませんでした・・・というよりも、ある時期の私は、そういったことに取り組めないほど、愛の病気に対して悲観的になっていました。

何をしたところで、愛は助からないと思っていたのです。

愛が入院した当初は、まったく眠れない日が続きました。

自分が寝ている間に、愛の心臓が止まってしまったらどうしよう、それに気づかずに死なせてしまうようなことがあったらどうしよう・・・と不安でならなかったからです。

それに、明日死んでしまうかもしれない娘の姿を、一分一秒でも長く、この目に焼き付けておかなければならないという、変な強迫観念がありました。

しばらくたって眠れるようになってからは、お葬式で参列者にお礼を述べる自分の夢を何度も見ました。

「娘は最後まで生きようと頑張っていました」・・・夢ではいつも娘は死んだことになっていました。

確実に死に向かっていく愛の病気を受け入れるためには、あきらめるための練習が必要でした。

『娘がいなくなった世界を想像して、イメージトレーニングをすれば大丈夫。』

私は自分を追い詰めることでしか心の均衡を保てないほど、精神的におかしくなっていました。


今回、いただいた色鮮やかな千羽鶴を見て、私はそんな一番つらかった頃の自分を思い出してしまいました。

今にして思えば、懸命に生きるための闘いをしていた愛にとって、これほど失礼なことは無かったと思い、反省しています。

娘の病気を立ち向かえない運命だと決め付け、その苦しみから逃れることばかり考えていた、弱虫な母親だった私に、「あきらめないで、希望を捨てないで」とこの千羽鶴が訴えかけてきているような気がします。

これから先、まだまだ苦しいこと、つらいことはきっといっぱいあって、

その度にまた、私たちは迷ったり戸惑ったりするのでしょうけれど、

そんな時私は、この鶴を見て頑張ろうと、昨日は改めて思いました。

そしていつの日か、私たちが誰かに希望の鶴を手渡すことができるように、

誰かを温かく励ませるだけの大きな人間になれるように、

皆様との出会いを糧にして、家族三人で前を向いて生きていこうと思いました。


今私は、温かな春の風に吹かれて、まぶしそうに空を見上げる愛の元気な姿を夢見ています。

悲しい夢は、もう見ません。

   千羽鶴と愛                 玲子