震災から八日がたち、
 
目に見えて状況が好転しているものはひとつもなく、ニュースを見ては重苦しい、たとえようのない気持ちになっています。
 
 
ただ、沈んでばかりもいられないだろ!!と、自分の尻を叩いてもいるのが、今日の日の小さな前進でしょうか。
しっかりしなきゃいけないですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今日は、NHKのラジオドラマ『海電』のリハーサルでした。
 
正直今朝くらいまでは、今仕事をしている場合なのか、または今だからこそ仕事に励むべきなのか、一日に何度も葛藤を繰り返しているような、どこかそんな状態でした。
 
 
 
 
 
そんな中で、
 
監督と、共演の中村優子さんとともに、ある話題について話し合いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それは
 
 
僕たち俳優が生業としている『演技』というものが、
 
『観客に(ひいては世の中すべての人に)何を与えられるのか』
 
ということ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今、日本中がこのような状況にあって、その中で『演技』をするわけですから、その前にもう一度しっかりと自覚をしておいたほうが多少はやりにくさも緩和されるだろうとの監督のご配慮だったんだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
答えはたくさんありました。
 
そして、大きなものはこのひとつじゃないかというところに落ちつきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
たとえば、もし目の前に、今にも命を落としてしまいそうな病と向き合う人がいたとして、
 
僕たちは医者ではないから、治してあげることはできませんが、死を見つめるその心を、『心の持ち方』を少し変えてあげることはできるかもしれない。
 
 
たとえば、当たり前のように目の前を通り過ぎる日常を、それが『幸せ』だということに気がつけるようにお手伝いをする、そのくらいのことはできるかもしれない。
 
 
 
 
 
政治家ではないから、国を今すぐに大きく変えることはできないけれど、ここにいるみなさんお一人お一人の心に、『ちょっといい影響を与えること』ならできるかもしれない。
 
それによって一人一人がそれぞれに少しずつでも幸せになれたら、そしてその結果として国全体が、世界が今より良い方向に向かうならば…それは、今度はさっきとは反対に、医者にも政治家にもできないことかもしれないね、と。
 
そういうところに落ち着いたんです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
僕はこの話をしながら、気がつくと大きく頷いていました。
 
そうやんな、そうやったな、と。
 
 
 
もうずいぶん前になりますが、僕の公式ホームページ内にあります『松田ラボ(僕の書き下ろしフリーエッセィ(現在は少しお休みをいただいております))』でこれと似たお話をしているものがあるのですが(過去ラボ第151話『生きる勇気を涌かせましょう』)、その時にも、これと似たような結論を、そちらは劇団スーパーエキセントリックシアターの八木橋修さんにお話いただいてるんですけど、今日はあらためて、
 
 
やっぱりそうだよな、とね。強く実感いたしましたo(^-^)o
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今度の震災で被害に遭われた方々のことを思うと、胸がつぶれそうな気持ちになります。
 
でも、だからこそ!! 俺は元気を出して仕事に励むことにいたします。
 
 
 
 
 
今回は「命」そのものがテーマのひとつでもある『海電』なので、命についてのお話をしましたが、
 
 
もっと普通の日常のそこここに、刺激や優しさや幸せの影響を与えられるのが僕らの仕事ならば
 
力いっぱい励んで行きたいと、そう思います!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
《自分にできることを、できる範囲で》
 
そして一日も早い復興に向けて、心をひとつにして前進して行きましょうね!!