1月20(金)、統合幕僚監部が、平成28年度3四半期までの緊急発進(以下、スクランブル)の実施状況を発表しました。

 

発表資料によれば、平成28年4月~12月までのスクランブルの回数は883回。この数字は、昨年度の通期の回数(873回)を既に上回っており、5年前の平成23年度に通期で記録された回数(425回)の倍以上になります。こうしたデータからも、近年、日本の空を巡る情勢が厳しさを増していることが見て取れます。

 

スクランブルの回数が増加している主たる要因は、やはり、中国によるもの。航空自衛隊が行ったスクランブルの内、7割以上は中国機に対するものです。ちなみに、公表されているデータによれば、北朝鮮に対するスクランブルは、今年度、1度も行われていません。

 

スクランブルの多数を占める中国機の動きを見ると、東シナ海において、中国が一方的に開発しているガス田の上空付近を多く飛行していることが分かります。もちろん、この空域は中国が設定した防空識別圏(ADIZ)ともリンクするわけですが、今や、ADIZと中国機の傘の下、東シナ海のガス田開発が進んでいる事実は、補足的に共有しておきたいところです。

 

日常の日々を過ごしていると、どうしても海の外で起きていることを忘れがちですが、スクランブルに関する最新データが公開されたことを機に、今一度、日本が置かれている現実に、みんなで目を向けてみたいものです。

 

いよいよ国会が始まりました。この国の未来を守るため、私も一層頑張っていきます。


【公表資料はこちらから↓】
「平成28年度3四半期 緊急発進実施状況」
http://www.mod.go.jp/js/Press/press2017/press_pdf/p20170120_02.pdf