本日、小笠原周辺海域等における中国船のサンゴ密漁事案について、

外交・国土交通・水産・国防の4つの合同部会が開催された。

本件は、現地の方々は当然、国民の多くも不安に思っている深刻な事態であり、
早急な対応が必要であり、自民党四部会合同で抗議決議も出されることとなった。


9月中旬以降、小笠原諸島周辺に多数の中国サンゴ船が入域してきたのは、
既報の通りだが、11月3日時点でも205隻が視認されており、数が減る気配はない。


参加議員からは、罰則・罰金の強化、担保金制度の強化、期限設定の上交渉に当たること、
海外での同様事例ではもっと厳しい態度で臨んでいること、などの声が多数あがった。


また、長崎県・五島列島沖の領海内でサンゴ漁をしたとして、

外国人漁業規制法違反(領海内操業)の罪に問われた中国籍の男性被告(48)に、
福岡地裁が無罪の判決を言い渡した事例なども参加議員から出され、
詳細は承知していないが、国民感情とはすいぶんかけ離れた話であると思う。


自衛隊への海上警備活動への移行を期待する声があるのも事実だが、
それには基盤となる体制がなければならないのだ。


本日出された決議文の全文は以下の通り。


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小笠原諸島周辺海域等における中国漁船のサンゴ密漁に対する
厳正な対処と厳重な抗議を求める決議


平成26年11月5日
自由民主党
外交部会・国土交通部会・水産部会・国防部会


本年9月中旬以降、小笠原諸島周辺海域でサンゴの密漁が目的とみられる
多数の中国漁船が確認されており、3日時点で205隻を視認するとともに、
5名の乗組員を逮捕した。海上保安庁等の関係当局による懸命な取り締まりや度重なる中国政府への
抗議にもかかわらず、中国漁船は増加の一途を辿っており、さらには伊豆諸島周辺海域にも
出没したことが確認されている。


世界自然遺産にも登録された美しき島々と宝の海において、
日本人はサンゴをはじめ貴重な資源を父祖の代から受け継ぎ、大切に育んできた。
しかし、中国漁船が白昼堂々、我が国の領海及び排他的経済水域内に土足で立ち入り、
小笠原の漁業関係者に危険と感じる操業を余儀なくさせるとともに、
荒々しい漁法で根こそぎサンゴを奪い取る蛮行を繰り返していることに、我々は激しい憤りを禁じ得ない。


当該海域から違法操業の中国漁船を一刻も早く一掃するためにも、
一層実効性のある政府の対応が急務である。海上保安庁、水産庁、警察庁等の
関係当局の船舶・人員の増派及び徹底的な検挙、罰則及び担保金制度の強化、
より高いレベルでの中国政府に対する抗議や働きかけ、生態系への影響調査等、
関係当局が緊密に連携の上、政府の総力を挙げて厳正な対処と厳重な抗議を行うことを要望する。


また、恒常的な領域警備の観点においても、小笠原諸島周辺の警戒監視体制の脆弱性は
従来から指摘されているところであり、取り締まり体制を増強するとともに、
大型船舶が入港可能な港湾の整備や飛行場の設置、レーダーの配備、十分な人員の常駐等、
海上保安庁、水産庁、警察、自衛隊の基盤の整備並びに装備の充実を促進し、万全な警戒監視体制を
構築することを政府に求めるものである。



(筆者写し)








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