本日8時より、自民党本部において「領土に関する特命委員会」を開催。今般、佐藤は同委員会事務総長に任ぜられ、額賀委員長、今津委員長代理の下、領土に関する諸問題に取り組んで行く所存だ。

会議では、領土・主権に係る情報発信の状況について、内閣官房領土・主権対策企画調整室内閣審議官、外務報道官から以下の報告があった。

内閣官房からは、領土・主権に関するわが国の立場を正確に、内外に浸透させるべく、政府の体制強化のため、本年2月に内閣官房に領土・主権対策企画調整室が設置された。

同室では、本年4月に、領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会を設置し、これまで5回の会議を開催。内外発信の手段や方法について議論を行っており、また6月~7月にかけて、政府による初めての「竹島・尖閣諸島に関する世論調査」を実施。調査では、竹島・尖閣諸島に関する関心度では、いずれも約70%が「関心がある」「どちらかといえば関心がある」との回答であったが、残りの役30%とくに若年層の関心の低さが明らかとなったとのことだ。

自民党では、今夏実施された参院選の公約において「領土・主権問題に関し、法と事実に基づく日本の主張を、国内外に対する普及・啓発・広報活動を積極的に行う」とし、また自民党の政策を集約した「Jファイル2013」においても「領土・主権問題を担当する政府組織の設置」を謳っており、その主張がようやく緒についたところだ。

続いて外務報道官から、現在、外務省が作成している広報ツールについて説明。現在、尖閣諸島、竹島、日本海呼称、北方領土、日本列島の各テーマについて、フライヤー(表裏2ページのチラシ)、パンフレット、動画を、英、仏、スペイン、中、露、アラビア、独、伊、ポルトガル、韓、そして日本語の11言語で作成しているとのこと。

先の世論調査や国民の関心を高めることは必要ではるが、対象国、第三国をはじめ国際社会に対する情報発信が極めて重要であり、これらの活動は、引き続き実施すべきである。しかし、それに係る予算、またわが国の在外公館のスタッフ不足などもしっかり考えていかねばならない。

出席議員からは、他国のように政府の対外文化広報機関を設置すべき、若年層の関心の低さは学校教育に問題があり、その対応を求める声や子供向けのパンフレット作成なども提言された。

いずれにせよ、これはすでに「広報」ではなく、「世論戦」であり、国家としての意思を明確に主張していく国家戦略が必要であり、「領土に関する特命委員会」において、年末までに「提言」をとりまとめる合意がなされた。

次回は、中国、韓国の領土・歴史問題に関する対外宣伝の現状、また米国内におけるその活動状況について検証する予定だ。