千葉県隊友会主催の「防災セミナー」にお招きいただきました。

$佐藤正久オフィシャルブログ ”守るべき人がいる”

 入り口では東日本大震災における習志野空挺団の活躍を展示していました。
 こうして改めて見ると、重機の使えない所でマンパワーだけを頼りによく汗をかいてくれたと感謝の念がたえません。千葉市内も津波や液状化現象の被害が多々あります。
 私たちは昨年に起きた出来事を忘れたり、風化させたりせず、伝えていかなければなりません。
 隊友会、防衛協会女性部のみなさんも総出でお手伝いしてくださいました。いつもありがとうございます。

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 第1部は、東日本大震災時、陸上自衛隊の指揮を執った陸上幕僚長(当時)の火箱芳文氏の基調講演です。10万人体制で出動した苦労と、すべては被災者のためにという想い、そしてこれからの課題について現場で経験されたリアルなお話をされました。

 第2部は、熊谷俊人千葉市長、山之上哲郎第一空挺団長、佐藤正久が登壇し、軍事ジャーナリストの井上和彦氏の進行で軽快にディスカッションが進みました。

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 千葉市長は、高校2年生のとき阪神淡路大震災を経験し、自衛隊の給水車にお世話になったと、自衛隊との身近なエピソードを教えてくれました。

 震災が起きてすぐ何をしたか。熊谷市長も、山之上団長も、非常時の命令系統を整え、通信手段を確保し、情報収集にあたりました。佐藤はそのとき鹿児島にいたのですが、国会事務所と電話がなかなかつながらないので、ツイッターを活用して秘書に指示、情報収集、国民にむけて情報発信をしました。

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 さて、震災直後に原発に行き、現場を混乱させた総理大臣がいましたが、指揮官が現場に行くタイミングについて議論をしました。

 熊谷市長は「自治体は常に現場。情報を収集して判断するために2日間は動かなかった。その後、液状化が激しいという現場等を確認するために1~2時間という時間を活用して現場を確認した」と基準をもっていました。
 山之上団長は「何のために現場に行くのか。指揮するためなのか、現場の士気を上げるためなのか明確でなければならない。指揮所を離れ、状況判断できなくなり、指揮ができなくなると部隊が混乱する」と言いました。
 佐藤は、災害の規模やレベルもあるが、あの災害では72時間は指揮官は現場に行くべきではないと考えます。なぜなら、72時間は人命救助に全力を注ぐべきであり、現場に任せるべきだと考えます。

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 指揮官の役割はなにか、それぞれの立場での役割について考えました。

 熊谷市長は、3.11の夜に市庁舎を激励に回ったら、災害担当部署はバタバタと忙しいのに、隣の部署は何もすることなく待機しているだけという現場を見て「専門的に組織化されている平時の縦割り行政を、非常時の発想・組織に切り替えること」だと話されました。
 山之上団長は、「第一線の指揮官は与えられた任務を遂行すること。具体的に計画を立てること」「本部の指揮官は、これからおきるであろう事態にどう対応するか考え、第一線の部隊が活動しやすい環境を整えること」と話されました。
 佐藤も、震災後ずっと政府と対応策を議論してきましたが、役所は所掌事務があって仕事をするので、危機に対応できないことを痛感しています。自衛隊は「ミッションオリエンテッド」と言って、任務を遂行するために組織を動かしていきます。政治家、官僚にはこの発想が欠如しています。

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これから取り組みについて、それぞれの立場での具体的な内容が語られました。

 熊谷市長は、「シナリオのあるイベント防災訓練を見直し、より実際的な訓練にする。子供も自分のことは自分で守る意識を高めるために日本初、子供のAED救命講座を実施。地域避難所運営委員会を設置し
利害調整も考えてもらう」施策を進めています。
 山之上団長は、「自衛隊にヒーローはいないし、ヒーローはいらない。最後の砦として訓練に励み、想定外だったとは言わせない」と、まさに命をかけた決意を語りました。
 佐藤は、政治家として、これらの教訓を政策に生かします。佐藤も元自衛官です。命を守ることに徹底的にこだわります。考えられないことを考え、想定の範囲を広げることで、もう想定外とは言わせません。

 ブログでご紹介した内容は、ごく一部を要約したものですが、熊谷市長も、山之上団長も、それぞれの場所で、それぞれの立場で、指揮官としてなすべきことを真剣に考えて行動していたことに共感を覚えました。
 主催していただいた千葉県隊友会のみなさん、ありがとうございました。
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