川上徹也さんのストーリーテリングシリーズの第三弾です。


歴代の名演説が、それがなぜ人の心に響いたのか、川上徹也さんの持つストーリーテリングのフォーマットに基づいて解説されています。


川上徹也さんの本は、前作では事例が身近でオンリーワンな取り組みをしているという点が特徴的でしたが、今回は誰でも知っている、小泉純一郎、田中角栄、オバマ、マーチールーサーキングなど、有名どころが事例となっています。


演説解説本では、以前オバマ氏の演説テクニックをNLPという心理手法を駆使しして、分析している「戦略的話術」 という本を紹介したことがありましたが、本書の特徴は、数と事例の豊富さです。


あの演説はなぜ人を動かしたのか (PHP新書)

特徴的なのは、各偉人の演説を各人丸ごと載せている点です。これらの言葉を分析していけるだけでも価値があると思います。


■名演説は逆境の中で生まれている


本書を読んで改めて思ったのは、「名演説は全て逆境の中で生まれている」ということです。


小泉劇場選挙は、郵政法案が否決されたという逆境から、田中角栄の選挙演説もロッキード事件で起訴されている状態の中勝ち取られたものです。


オバマ氏も当初は圧倒的不利と言われていた状況下で、盛り返していったという逆境があったからこそ支持を受けたのでした。


ということは、今景気後退といわれている世の中、名演説、ヒーロー的な人が生まれてくる素地がいっぱいあるということになります。


アメリカなんかでは歴史的に団結するために人為的に危機を作り出しているという点が恐ろしかったりもするのですが・・・


■逆境を味方につける


時代の英雄を目指さないまでも、個人の中で逆境的な状況をバネにしていくことは大切な能力だと思います。


昨日の多読セミナーの告知文 の中でも逆境をバネにしてきた自分がいます。


・喘息というハンディを負う中で自分の限界にチャレンジしていく特性を身につけた
・おこづいがない中でどうやってコレクションを作り上げていくか
・会社員生活、0歳2歳児のいる家庭生活と多読とブログ執筆イベント企画をどう両立するか


私の座右の銘は「制約は力なり」by隈研吾さんです。


全てに共通しているのは、逆境を背にして、それを乗り越えていくストーリーを創り、聴衆を巻き込み、共感できる能力だと思います。私のプロフィールが共感してもらえるものかどうかは別にして・・・


■そこにストーリーの黄金則 登場


「欠落のある主人公が、葛藤・困難を乗り越え、遠いゴールを目指していく」


現在の経済環境や自殺者の多い社会的状況を考えると、閉塞感を感じてしまうことの多い世の中で、それを逆境として次代の道しるべとなれる人がどんどん生まれてきているような気がしています。


いざ、演説です!!


【本日のネクストアクションクエスチョン】


「何か今自分の中で逆境だと感じているものはありますか?」


「それを克服するために何かしていませんか、できませんか?」


「敵や逆境を愛することはできますか?」


【関連エントリー】


川上徹也さん関連記事
■書評■自分ンのストーリーを発見する10のヒント「仕事はストーリーで動かそう」川上徹也

■書評■インスピレーションが生まれる!!「カカクロ本」川上徹也

■セミナーレビュー■ワールドカフェ「仕事はストーリーで動かそう」

話し方関連書評

■書評■聞き手を熱狂させる「戦略的話術」二階堂忠春、田中千尋

■書評■伝わる話を作る技術!!「カーネギー 心を動かす話し方」デール・カーネギー


■書評■:感動プレゼン5か条「人を幸せにする話し方」平野秀典

【本日の紹介書籍】


あの演説はなぜ人を動かしたのか (PHP新書)
川上 徹也
PHP研究所
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4 人を動かすストーリーの力
4 この本はなぜ私を動かしたのか
3 スピーチの参考に

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【編集後記】


ももちゃんの最近のお気に入りは赤ちゃん用のラックチェアです。


自分で登ることは出来るようになったのですが、まだ自力で降りれません。


それでも、ず~っとそこに座っていても泣かずに、もう一つのお気に入りのプーさんの黄色のタオルで永遠と遊んでいます。


僕もラックチェアでずっとゴロゴロしたいかも(けど1分で飽きると思う・・・)多読書評ブロガー石井より


本日も最後までお読み頂きありがとうございました。