「アフォーダンス入門」佐々木直人 書評ブログレビュー
多読書評ブロガーの石井です。
アフォーダンスとは、情報の外在性といわれることもありますが、情報は人間や動物の意識や脳の中にではなくて、外にあるという考え方です。
人間や動物が知覚する前に、そこに存在している環境自体が情報を先に持っているものだというものだと私は理解しています。
■人の意識について
一方で、「夜と霧」に代表されるように、強制収容所のような環境下でも人はポジティブに活動することができると、自分の意識の持ち方次第で、環境のあり方は変えることが出来るという考えもあります。
しかし、それはしょせんある環境についての見方を変えるというだけで、環境自体の情報が先にあるという考え方と矛盾しません。
■本書の中でのアフォーダンスの定義
アフォーダンスとは、本書の中では環境の中で動き回って何かを見ようとしている観察者がその全身の動きとともに知覚するものと表現されています。
アフォーダンスとは、情報獲得し発見するもの。主観だけだとしてしまうと実体がなくなる。
・木を切ったという行為
「自分が木を切った」という「独立」した意識ではなく、木ー目ー脳ー筋肉ー斧ー打つー木というシステム全体によりもたらされる。
■身体とまわりの世界には境がない
「自己」はどこにも定まっていなくて、世界の中に刻々とあらわれるもの
ぼくらが一つではなくて多数の身体を持っている
ぼくらが生き続ける理由はぼくらの中にではなくて、外にある
自分の境界ってどこですかと言われると実は定義は難しくて、野球のバットを持っている選手の脳は、バットを自分の身体の一部として知覚し処理しているということがあります。
仏教でいう「空」なのか、ケンウィルパーの言う「無境界」なのか、世界と自分の一体感ということは、ことさら自覚していなくても本来そういうものなのかもしれないなとぼんやり思う今日この頃です、、、
■ミミズの習性
ミミズは生物的には目を持たずに触覚だけで動く非常に単純な生物であるにも関わらず、巣作りの葉の選別方法を偶然では済まされない精度で判別することができるという実験のことが載っています。
このような判別するという行為が可能になることを考えると、ミミズにではなく、ミミズを取り巻く環境自体が全体として情報を持っていると考えることで理屈が通るようになります。
■世界を「直接知覚」している
情報を受け取って処理するのではなく、世界を「直接知覚」している
例えば、人は、向かってくるボールが時速何キロかは分からないが、いつ自分に当たるかはかなり正確に予測できるようです。知覚しているんです。
先日のワールドカフェでAPP相談役の鈴木利和さんが言っていたことが印象に残っています。
「自分の感覚をきちんと言葉で表現するのは難しい」
なので、身体で表現してみましょうというワークをしてみようということを提唱してもらっているのですが、言葉にならない思いって実はいっぱいある気がします。
そしてその言葉にならない想いって実は結構大切な人にはちゃんと伝わっていたりします。。。
■引きあう感覚を大事にしたい
筋肉を通じて、絶えず引き合う力で人は生きている
筋肉にしろ、引力にしろ、人でもモノでもなんとなく引きあう力があるから、形を保つことができるわけで、集団でいられるものかしれません。
自分でこういった文章を書いていても思うのですが、自分の意見や考えを外に押し出そうとすると行き詰まり、自分や相手から引き出していくような感覚で書いていると筆が進むような気がしています。
【本日の紹介書籍】
「アフォーダンス入門」佐々木直人
その境目のない世界において自分がどういうポジションで動いているのかを知覚しておくことが大切な気がしています。
講談社
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ダーウィンってすごい(そしてミミズも)
知性のあり方の再考と観察の重要性を感じました
話題が飛びすぎ
【編集後記】
身体で表現するということを考えると子供ってすごいです。
2歳のさっくんは、ジャンプが大好きです。高い段に上っては「ジャンプ~」といって飛びおります。うれしいときは、飛び跳ねて喜んで、、、
そして団地住まいの我が家ではママに叱られています、、、
飛び跳ねて喜ぶ感覚、、、忘れないようにパパは一緒に子供たちと飛び跳ねていきたいと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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