徳島県阿南市の阿南東部土地改良区の事業資金約7億円余りが、当時の改良区職員とその長男、知人の暴力団組員に横領された事件で、同改良区が元職員の大川ひとみ受刑者(61)と、悦史(33)、玉井鉄男(35)両受刑者に計1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、地裁であった。

 武田瑞佳裁判官は3受刑者に全額を支払うよう命じた。

 判決によると、大川ひとみ受刑者は、同改良区の会計主任を務めていた2006~08年に、215回にわたって無断で預貯金通帳や定期預金証書を持ち出し、計約7億2200万円を引き出した。

 武田裁判官は大川親子に対しては「請求の原因となった(横領の)事実を認めている」とし、玉井受刑者も「原因事実について争わないのは、認めたとみなす」などと判断した。

 改良区は今年1月、玉井受刑者から返還を受けたベンツなどの車5台や家具、電化製品、貴金属合わせて約100点を徳島市内の質屋に買い取ってもらい、約3350万円を回収したが、全額回収にはほど遠い。残りの金額をどう回収するか、弁護士と相談して決めるという。

 また、「金融機関にも責任がある」として、損害賠償を求める方針。横手常悦理事長は「今回の全面勝訴は当然。被害をすべて回復するよう、あらゆる法的処置をとりたい」と話した。

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