カメラの魔神 | nobodyの冒険

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わかってくれる人、きっといるはずさっ

週末、Eさんと撮影に行ってきました。

場所はちょっと雰囲気のあるホテル。

正直古いのですが、そこを逆手にとって

いろいろとレトロな演出を施しているお部屋でした。

 

おお、この装飾面白いなー。

ちょっとそこに座ってみてー。

おおいいねその笑顔、じゃあそろそろ脱いでみようかー。

 

師匠を相手に、そんな軽薄な撮影はできません。

私の頭の中には、カメラの魔神が降りてきてこうささやくのです。

 

さあイケダよ、いい雰囲気のホテルだろ?

モデルはEさん、これ以上ないシチュエーションだぞ?

お前はどんなコンセプトで撮るんだ?

Eさんの美しさを、どうやって引き出すんだい?

 

照明を準備し、Eさんにポーズをとってもらい、

シャッターを押し始めるのですが・・・

どうもしっくりこない。

 

向こうのガラスに反射する光が気に入らない。

Eさんの顔にできる影が気に入らない。

光源とレフ板をどこにどんな角度で置いたらいいのか。

ちょっと後ろをぼかした方がいいか?F値はどうする?

 

・・・なんか、ひとりで空回ってるな。

 

Eさんだからこそ、そういう試行錯誤を一緒にやってくれるのだから、

焦らずやればいいのはわかっているのに。

たまにしかない貴重なチャンスだと思うと、

どうしても気ばかり焦ってしまう。

 

今回選んだホテルの部屋は、

よくよく考えてみるとちょっと難しすぎたかもしれません。

そして、少しは上達したところをEさんに見てもらおうと、

気負いすぎたのかもしれません。

 

色々考えながら撮るのももちろん大事だけど、

楽しんで撮ることも忘れないようにしないとな。

はぁ、まだまだだな、オレ。

駅でEさんと笑顔で別れて、

大きくため息ひとつ。