今朝は空砲の音とともに目が覚めた。何処かで運動会が行なわれるのを知らせるためだろう。
実は夜中に目が覚めてコンビニにでも行こうかと外に出た。もちろん長袖でなければ寒い。黄色い明るい星が見えたが、これはたぶん「秋の一つ星」の「みなみのうお座」(”Piscis Austrinus”)のフォーマルハウト(”Fomalhaut”)と思われる。
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「秋夜寄丘二十二員外」 韋應物(いおうぶつ)
懐君属秋夜 君を懐(おも)ひて秋夜に属(しょく)す
散歩詠涼天 散歩して涼天に詠(えい)ず
山空松子落 山空(むな)しくして松子(しょうし)落つ
幽人応未眠 幽人応(まさ)に未だ眠らざるべし
(現代語訳)
折しも静かな秋の夜、君のことを懐かしく思い出して書を認(したた)めた。涼気漂う秋の夜をそぞろ歩いて詩を詠んだ。
山はひっそりと静まり、松毬が落ちる音が時折り聞こえるだけである。定めし君も眠らずにいることだろう。
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詩のタイトルの「秋夜寄丘二十二員外」は「秋夜 丘二十二 員外(いんがい)に寄す」であり、「丘二十二」は丘家の二十二男という意味である。
韋應物は中唐の詩人で、謝霊運、陶淵明の伝統を継ぐ自然派とされる。一方で盛唐の孟浩然や王維を受け継ぐとされ、柳宗元も一括して「王孟韋柳」と並称されることもある。