女子高生殺人事件と死刑問題 | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

女子高生殺人事件と死刑問題

ブログネタ:死刑について考えてみる 参加中

 今日は「子どもの日」。しかし悲しいかな、最近は子供(未成年)が被害者や加害者になる事件・事故が相次いでいるように思います。硫化水素自殺も複数起きていますし・・・
中でも衝撃なのは、ここ数日間報道されている、愛知の高1女子生徒が殺害された件。部活を終えての帰路での事で、この年齢の女の子(同学年の元教え子います)があまりに無残に殺され、心痛むと共に、こんな酷い行為をした犯人には激しい憤りを覚えます。メラメラ
事件現場も映し出されましたが、田んぼが広がる人通りの全くない、しかも夕方や夜は暗く怖いくらいの場所です。
しかも、事件前から被害者はじめ複数の少女達からの不審者情報も入っていたそうで・・・その時点ですぐに対策を始めていれば、こんな悲劇は防げたかもしれないです。。

あるコメンテーターは「学校同士が連携して対策すべきだった」と言っていました。これも一理はあります。登下校通路で不審情報が入った場合、生徒・保護者にも特に注意を促し、学校側も下校時間を早めたり、必要に応じて下校指導(監督)やパトロールはなど生徒を守る事に尽くさねばならないです。
しかし、1~2,3校の学校だけでどうにも出来る事ではない。ここは、生徒・学校関係者のみならず、地域全体での取り組みが必要だと思うのです。学校や自治体も取り組んではいたようですが、これだけ数々の報告がなされながら警察等は動かなかったのでしょうか?道には街灯さえないようですが、そういう設備を整えていくとかはなかったのでしょうか?

 この事件に関するネット上の声には、当然ながら犯人を厳しく非難するものがほとんどで、死刑うんぬんについてまで触れられているものもありました。
「死刑」と言えば、鳩山法相の下での死刑執行もニュースになっていました。
確かに、どんな人であれ命は尊く、それを絶つ事に抵抗を感じる面はあります。命で罪を償っても、被害者は戻って来ないですし。
しかし一方、あまりに残虐な殺人を犯した者が、十数~20年程度の懲役で済んでしまう判決を聞くと「罪軽すぎ」と思ってしまいますし・・・時には「あの事件の方が酷いのに、罪は軽い」などと、不公平を感じる事もあったりします。これは、弁護士の手腕などによるのかもしれません。
色々考えると、執行には慎重さが求められますが、制度としてはあるべきと考えます。
最近の事件を見るたびに、犯人は他人(人に限らず、最近は動植物も)の命をあまりに粗末にし過ぎです。そんな人でなしが軽い罪で済んでは、犯罪は増えるばかりでしょうし、そういう者が出所すれば再犯の恐怖を感じねばならないですから。

 いずれにせよ、子供の日しかもGW期間で自身唯一の休日に、暗い内容になってしまいましたが、あまりに全国に衝撃を与えた事件でした。


強盗殺人:下校中の女子高生殺される 首にテープ、顔に殴打跡--愛知・豊田

 3日午前5時半ごろ、愛知県豊田市生駒町の田で、同市駒場町、愛知教育大付属高校1年、清水愛美(まなみ)さん(15)が首にビニールテープを巻かれて死亡しているのを両親の知人の女性が見つけた。清水さんは2日の下校後行方不明となり、持っていたショルダーバッグが現場の南東約15キロの土手に放置されていたことから、県警捜査1課と豊田署は下校途中に殺害されてバッグを奪われたと断定、同署に特別捜査本部を設置し、強盗殺人容疑で捜査を始めた。

 司法解剖の結果、ビニールテープは緩く巻かれていたため、死因は口を圧迫されたか、顔などを殴られたことによる気道閉塞(へいそく)を原因とする窒息死とみられる。死亡推定時刻は2日午後7時25分から遺体発見時まで。

 調べでは、清水さんは高校の制服姿であおむけに倒れていた。争ったような跡があり、制服は泥だらけで、顔や頭に殴られたような傷が数カ所あった。首には幅約4センチ、長さ約3・8メートルのビニールテープが七重に巻かれていた。近くに通学用の自転車が横倒しになっていたほか、靴と携帯電話が落ちていた。

 一方、バッグは3日早朝、同県岡崎市の小呂川土手に捨てられているのを散歩中の女性が見つけた。中には教科書、腕時計、電子辞書などが入ったままだった。普段使っていた財布は自宅にあった。

 清水さんはサッカー部のマネジャーで、2日午後6時半ごろまで部活動に参加。同6時45分ごろに校門付近で友人と別れ、1人で自転車で帰宅した。通常帰宅する午後7時半を過ぎても帰らず、携帯電話にかけても応答しなかったことから、家族が知人らと捜すとともに、同署に捜索願を出した。携帯電話は最初、呼び出し音が鳴っていたが、途中から不通になったという。清水さんは団体職員の父、力さん(52)の長女。

 現場は伊勢湾岸自動車道の豊田南インターの西約150メートル。【飯田和樹、米川直己】

毎日新聞 2008年5月4日 東京朝刊


愛知・女子高生殺害:高校周辺に不審者 校長ら会見

 清水愛美さんが通う愛知教育大付属高校では、佐々木徹郎校長と山本建一副校長が3日午後記者会見し、「登下校時の指導を徹底していた。大変ショックを受けている」と沈痛な面持ちで語った。付近では不審者の目撃情報が相次ぎ、学校への防犯カメラ設置や不審者情報のメール伝送など児童・生徒の安全対策に力を入れていただけに、関係者や住民は衝撃を受けている。

 事件が起きた地域は田畑に交じってトヨタ自動車やアイシン精機、デンソーなどの工場が建ち、住宅も点在する。伊勢湾岸自動車道の豊田南インターが開通したことで、人の出入りも増えていた。

 山本副校長によると、学校周辺では4月30日午後4時半ごろ、校門の外や竹やぶで男が体を露出させ、同月中旬には下校途中の女子生徒が男に襲われかけた。学校はこれらの情報と、連休中の部活動中止を全校生徒に電話で伝えたという。

 清水さんの家がある愛知県豊田市によると、同月29日、現場近くの書店で男がトイレに女子を連れ込むなど、07年1月以降11件の不審事案が起きている。

 市が把握した以外にも、昨年12月ごろ現場近くの公園で不審者が複数回目撃され、清水さん自身も今月1日午後7時、自分のブログに「なんかこわいんだけど/お母さんおそいよお」と書き込み、2日正午すぎには「気持ち悪い/部活どうしよ」と書き最後の日記を終えている。

 相次ぐ事態に、豊田市は昨年度、生徒や保護者に不審者情報を一斉メールするシステムを導入。小中学校には警報装置を設置し、民間警備会社にパトロールを委託するなど防犯体制を強化していた。

 さらに、付属高の所在地・刈谷市でも、すべての市立保育園に監視用ビデオを設置したり、小中学校に鍵付き門扉を取り付ける対策を実施し、豊田市に隣接する岡崎市では3年で街路灯を2130本増設する防犯計画を実施に移していた。

 こうした自治体の努力にもかかわらず、今回事件が起きた。清水さんが住む地区の神谷幹夫区長(65)は「学校の防犯対策は向上している」としたうえで、今回のような事件を防ぐには自治体間の一層の連携が必要と訴えた。【式守克史、木村文彦、丸林康樹】

毎日新聞 2008年5月3日 23時05分(最終更新 5月4日 2時17分)