今年の音楽と新垣勉
ブログネタ:2007年 一番聞いた曲 参加中
音が好きとはいえ、CDの類はあまり買わない自分ですが、テレビや街中から流れる曲を覚えるという感じです。
今年は特に、ドラマの主題歌で耳に残ったものは結構あります。「一番聴いた曲」というほどではないですが。
蕾(コブクロ):「東京タワー」エンディング
ピーチ(大塚愛):「花ざかりの君たちへ」エンディング
GREEN DAYS(槇原敬之):「牛に願いを」エンディング
KISSして(KOH+):「ガリレオ」エンディング
いつか見た青い空(海援隊):「3年B組金八先生」オープニング
そして、今年話題になった歌といえば「千の風になって」でしょう。昨年の紅白に出場した声楽家の秋川雅史さんが歌ってブレイク。クラシック部門での最高の売上を記録したようで、テレビでも何度も見聞きしました。
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それから、頻繁に聞いたというほどでもないですが、今年(と言っても昨年度にはなりますが)聞いた曲で1つ紹介したいものがあります。
昨夜、テノール歌手・新垣勉さんの人生を辿ったドラマが、小池徹平主演で放送されました。
私がこの声楽家を知ったのは、今年1月です。NHKラジオで英語講座を聞いていますが、終了後もすぐに消さないでいると、その後に「みんなのうた」をやっているわけです。
で、1月頃に流れていたのは、1曲目がタモリ倶楽部空耳アワーの安斎肇さんが歌っていて「へぇ、この人歌うんだ」と思っていると、次の「私と小鳥と鈴と」という曲が心に染み入ってきました。この歌い手が「新垣勉」と聞き、ちょっと調べてみましたが、その壮絶な生い立ちに衝撃を受けると共に、この人の努力に恐れ入ったという感じです。
あと、過去に勤務したミッション系の女子校でも(当時はまだ名前を知りませんでしたが、顔写真から分かった)、コンサートか何かのポスターをがひっそり貼ってあるのを見た記憶があります。
メキシコ系米国人の父と地元沖縄の母との間に生まれ、その時、助産師(?)が目を洗う薬を誤ってしまったために失明。
間もなく両親は離婚、父親は本国に帰国、母親は再婚し、祖母に育てられる。その際に「祖母を母、母を姉」と教えられたというのも、ひどい話です。
中学の時にそれらの事実を知り、自分を失明させた人と両親を恨み、自殺未遂も起こしたりしましたが、幼馴染の助けや、教会で牧師さんに話を聞いてもらい心救われた。
盲学校高等部卒業後は専攻科で鍼灸を身につけつつ、牧師になるべく受験勉強をして神学系の短大に入学、卒業後は更に学びたくて福岡の4年制大学に進学。大学時代は、鍼灸と歌で生計を立て、それでも食べ物には困り、お店で分けてもらったパンの耳をお昼に食べていた場面も印象に残りました。
短大在学中に音楽の才能を見出され、以後は聖歌隊に参加したり、
そんな折、神戸に来日した世界的に有名なボイストレーナーに「日本人にはない声だ!お父さんからのプレゼントです」と才能を絶賛され、両親への感謝が持てたという。
牧師をしながら教会等を周って歌い続けますが、歌手として売り込もうとデモテープを持参した時「音大も出ていないのに・・・」と言われ、
「何としても音大に入りたい」と、全盲でも受け入れ可能になった武蔵野音大に34歳で入学、大学院まで修了し、音楽家として本格的に歩んでいくわけです。
実に「努力の人」だと思います。逆境にもめげず点字で猛勉学し、神学も音楽も修めた、何という勤勉家!
新垣さんの歌には、そうした人生を乗り越えてきて生まれた魂の叫びや温かさが込められているのかしれません。
そのようなわけで、今年はこの人に密かに注目しており、「紅白」にも出場して欲しいと思っていました。
それは実現しなかったものの、この前NHK火曜コンサートに出演をされているのを見ましたし、今回こうしたドラマが企画されたという事は、注目されている証拠でしょう。来年以降に紅白の話がないかなあ。
なお、先に述べた「私と小鳥と鈴と 」は、詩人・金子みすゞの作なのですね!これに曲をつけたというわけですか。心洗われる歌です。
最後にアルバムを紹介しておきます。こちら
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12.30追記
先程、帰宅しました。レコード大賞がちょうど終わるところでしたが、コブクロの「蕾」が大賞受賞したのですね!