神戸の高3自殺事件に思う | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

神戸の高3自殺事件に思う

 最近、神戸市の滝川高校の3年生男子生徒が自殺した事件に関し、様々な報道がなされている。彼は、フットサル同好会仲間から、恐喝(金要求メール)・パシリ・偽ブランド品売りつけられ・裸の写真をネットで流される、などのいじめを受け、それらを苦にして7月、学校から飛び降り自殺したとの事。犯人の同級生も逮捕された。

何ともむごい・・・この被害者生徒の事を思うと何とも胸の潰れるような思いである。


今日の記事によると、学校側はやっといじめを認めたようだが、それまでは「いじめは見当たらなかった」と主張し、あるワイドショーでは、生徒達は皆(被害者と親しかったという子まで!)「変わりはなかった」と言っていた事に、疑いを感じざるを得なかった。「本当に周辺の誰も気付かない事があるのか?」と。

次々に明るみになる事実では、髪型を変にされたり、同好会のHPに下半身写真の掲載や中傷書き込みもなされたという。近所の商店街の店員達が、彼が使い走りされているのを知っていたとのインタビューもあった。それでいて、誰も救いの手を差し伸べようとしなかったのか??

高3にもなってこんな陰湿なイジメしか出来ないようなアホ糞ガキどもは当然、同じ思いをさせてやりたいくらい憎らしいが、「見て見ぬふり」をしていた関係者達も大いに責任がある。


学校のHP にアクセスしても、常に「現在アクセスが集中しています」の表示ばかりだが、フレームを別々にすると 入れる事などから、意図的にやっているのではと感じざるを得ない。対応に誠意が感じられないです。

それにしてもこの学校、コースが多いな。中学から医進・特進・進学クラスがあり、高校は更に別のコースが存在するようだ。わけ分からん(><)。滝川の名は、他地方の自分も以前から聞いた事があり、そこそこの進学校としての認知度はあったように思う。更に実績を上げようとカリキュラムを複雑化し、生徒も教師も心に余裕をなくしてしまった事も要因ではと考える。


しかし、本人もあと半年余り、死なずに何とか出来なかったのだろうか?本当は誰かに助けを求められれば良かったのだが、この年代特に男の子はそういう事を言いたがらず、内に込めてしまうかもしれない。それとも、味方になってくれる人が誰もいなかったのだろうか?場合によっては不登校しても、こういう事態は避けて欲しかった。ご冥福を祈ると共に、こうした悲劇が二度と起こらないよう、子供に関わる大人達が一丸となれる環境を作っていってもらいたいと切に願う。

(あと、他の少年による犯罪を聞くたびに思うのは、他所でも言われているように、未成年だからと言って実名や顔写真を非公表というのも、悪ガキどもをつけ上がらせているように思う。最近の少年犯罪はあまりに悪質過ぎ、場合によっては大人達によるものより残忍な場合も多いと感じる。こういう連中を見せしめにするのも一つの手ではないだろうか?
「前途ある若者の更正のため」と言うが、こういう餓鬼を甘やかす事で新たな被害者が出るのを防ぐ方が必要と思うが、如何に?)



高校生自殺/なぜ「サイン」を見逃した

 前途ある青少年が自ら命を絶つ。それだけでも、つらくて悲しい出来事なのに、最近はいじめなどが自殺の原因とされる事例が増えている。今回もまた、そんな悲劇の一つなのだろうか。

 神戸市内の私立高校で七月、三年生の男子生徒が飛び降り自殺をした。この生徒は同級生から金を要求されるなどの執拗(しつよう)な嫌がらせを受けていたという。背景を調べていた兵庫県警は、同級生の一人を恐喝未遂の疑いで逮捕した。

 自殺との因果関係はまだ、はっきりしない。ただ、逮捕された同級生を含む数人のグループが、男子生徒の携帯電話に支払いの「督促」メールを送り付け、要求額は数十万円にのぼったとみられる。

 自殺した生徒は、こうした経緯をポケットに入れた遺書に書き残し、携帯電話に要求メールが保存されていた。

 この段階での学校側の調査に対し、同級生らは「冗談のつもりだった」と話したそうだ。学校側もそれ以上の聞き取りはしなかったという。

 児童・生徒間のいじめやトラブルは、教師や保護者の目につきにくい面がある。警察庁によると、警察が検挙・補導したいじめ事件で、被害者の二割が誰にも相談せず、一人で悩みを抱え込んでいた。

 まして、子どもの多くが携帯を手にメールをやりとりする現状では、何が起きているか、大人の目になかなか分かりづらいのが実情ではないか。

 しかし、今回の事件では、自殺した生徒が嫌がらせを受けていたことは生徒の間で知られた話だったという。

 県警は二カ月に及ぶ捜査の末、加害者の生徒の逮捕に踏み切った。単なる嫌がらせの域を越え、犯罪として立件すべき悪質な行為と判断したからだろう。

 生徒の間で何があったのか。被害者はなぜ、死を選ばねばならなかったのか。

 まず、その事実の解明こそが大事だ。警察は他の生徒への影響にも配慮しつつ、捜査を進めてもらいたい。学校も捜査に協力すべきだ。

 そして、当の生徒が発しただろういじめなどの「サイン」を、なぜ学校や周囲の大人が見逃したのか。その点について疑問が残らないよう、丹念な調べを求めたい。

 警察庁のまとめでは、小中学生から大学生までの自殺者は昨年、全国で九百人近くにのぼった。過去最悪の事態である。

 それぞれの事例の経過を一つ一つたどり、大人の側に何かできることはなかったか、真摯(しんし)に振り返ることから始めたい。