1月特選映画【4】映画のMIKATA「2016年邦画の総括№2」★映画をMITAKA | 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

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都市生活者の心と言葉を掌にのせた小説、電脳化社会の記号とイルージョンを巡る映画、都市の孕むシンボルと深層を探るエッセイ、街の風景と季節の色を彩る短歌…。小説と映像とエッセイと短歌をブログに・・・掲載します。

第40回日本アカデミー賞2017年」の授賞式は、3月3日にグランドパレスホテル高輪にて、安藤サクラさん西田敏行さんの二人の司会で開催されます。放送日は日テレで21:00~22:54。ノミネート作品・優秀作品賞等についても発表されました。詳細は下記アドレス「2017年の日本アカデミー賞」の公式サイトを参考にしてください。
 http://www.japan-academy-prize.jp/prizes/40.html





私が2016年に見逃した映画を急いでレンタルショップで観賞いたしました。全部で10本まとめて観賞しまして、その感想コメントを掲載して、評価しました。合わせて、昨年ブログ編集後記で書いた時代劇について、私なりのコメントを掲載しました・・・。2016年の映画の私なりの総括と言えます。


その総括に関して、私は二つの問題とテーマを設定しました。①はどうして、邦画から「時代劇」の映画が無くなったのだろうか・・・というテーマであり、その問題を私なりに答えを見いだしたいなー、見つける必要があるーなと思いました。2016年の唯一の時代劇は『殿、利息でござる!』と『真田十勇士』でした。②は、2016年に見逃した映画、まあ…駄作は放っておいてもいいのだろうが、特に映画ファンたちが2016年の話題作として挙げているものは、自分なりに検証しておかないといけないな・・・と思いました。問題の解決策として、DVDによる後追いでも、自分なりに映画を観賞してみて評価を下しました。それは、★の数でランク付けしました。★★★が優秀作品、王冠1マークが名作傑作にあたります。



②簡単な総括のコメントと各映画の感想を書きます。

 

 全く面白くない駄作、観る価値なし。

★★ 見て損はしない、マアマアの作品でした。

★★★ 変面白い作品です。、

王冠1 見る価値のある名作傑作です。

1)★★二重生活』(岸善幸監督&脚本、小池真理子原作)

実を言うと小学校の頃に自宅の近くの公園の前のバス停から降りる人の後をずっと後ろから忍んで追いかけ、少年探偵団のような気持ちで追跡するゲームをしていたことが、私には懐かしい遊びの過去がありました。ただね、一人の人間を客観的に密かに観察するこの映画の主人公の女子学生の卒論は、悪いけれども哲学の論文にはならないですーヨ。まあひいき目に見て、社会学のくだらない卒論「男女関係の不倫は新しい関係と家族を形成できるのか?」程度のテーマかな…小池真理子の原作にしては脚本が拙いですーネ。最近、特に若手の監督は、監督と脚本を同時にこなす。場合によっては原作も兼ねる才能が多くなりました。この作品の良し悪しを一度検討しなければならないな・・・と思っています。これは2016年に限らずに最近の映画の傾向ですーネ。


2)★★『嫌な女』(黒木瞳監督、西田征史脚本、桂望実原作

「県庁の星」と同じ小説家の原作で、ストーリは笑えました。従妹同士の二人の女性、一人は弁護士の徹子(吉田羊)と人騒がせななつこ(きむらよしの)の関係をコミカルに描いた映画です。黒木瞳がいよいよ監督を始めたかと吃驚しました。二人の個性が作品を面白くさせています。監督の次回作もあり得るのかな?監督が主役を独占せずに、監督に徹したところがいいのではないのかな…。脚本も西田という手堅い実績のある人ですーネ。


3)『高台家の人びと』(土方政人 監督、金子ありさ 脚本)

森本枝子の漫画が原作で、祖母と孫達が他人の心が読めるという「テレパス能力」を持つ元華族の名門家「高台家」が舞台となっている。その孫の一人・高台光正(斎藤工)と恋仲になり結婚というOL・平野木絵(綾瀬はるか)が演じるドタバタ喜劇でした。綾瀬はるかファンの一人として辛いのだが、漫画チックで駄作でした。時代物に限らず、原作が「漫画」というのは、昨今の映画の傾向ですーネ。これも2016年とは限らず、昨今の映画の新しい動向です。脚本家の方に、原作がマンガと小説と、どちらが書きやすいですか…と一度質問をしたいです。

 

4)『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(福田雄一監督)

あんど慶周の漫画が原作で、映画化の第2弾です。鈴木亮平が演じる変態仮面は頭にパンティーを被ると不思議なパワーを発揮するエロいB級コメディーなのだが、私は第一作も観ました。バカらしいと知りながら、ついつい見たくなる魅力がありまーネ。


5)★★殿、利息でござる!』(中村義洋監督&脚本、磯田道史原作)➡江戸中期、財政難のため民衆に重税を課す仙台藩を舞台。宿場を守るために、藩に対して大金を貸し付けて利息を巻き上げるという奇策を練る町人のの秘策を映画化時代劇です…。磯田道史原作の新しい視点で描かれた士農工商の武士社会です。


6)『ディストラクション・ベイビー』(真利子哲也監督&脚本)

愛媛県の港町・三津浜の造船所に住んでいた芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)の二人が主人公。特にストーリらしい内容はないのですが、唯一、松山の中心街で強そうな相手を見つけては、やくざでも街のやさぐれでも、誰構わずケンカを売る泰良の、全編が暴行暴力の連続だけの映画です。良いところがカケラもない、私には最低最悪の駄作だと思いました。暴力が映画の粗材になる作品というのは、一つは任侠ヤクザ暴力団の映画、特にマフィアのバイオレンス映画は独特の映像世界を作っています。高校生の派閥争いや暴走族同士の争いの映画…etctがありますが、何のストーリもなく、只殴り合うだけの映像は映画ではありませんーネ。



7)★★★リップバンウィンクルの花嫁(岩井俊二監督&脚本&原作)

派遣の非常勤教員をしている皆川七海(黒木華)が主人公。出会い系サイトで知り合って結婚、義母の悪意のたくらみで浮気と不倫を責められ、」すぐに離婚する。夫の家を追い出される七海の苦境に、何でも屋の安室が月給100万円の住み込みメイドのアルバイトを紹介する…。そこでメイド仲間で末期がんのポルノ女優里中真白(Cocco)と知り合う。 ストーリ自体があり得ないおとぎ話のような荒唐無稽な内容です。でも、私には退屈な映画でした。私は この映画を見乍ら時々「こんな男の言いなりになって離婚するトロイ女は、世知辛いこの世の中で生きていけるのかなー?すぐに騙されてヤクザのヒモにされてしまうぞ…!」と心配になってしまいました。



 

8)王冠1『植物図鑑』(三木康一郎監督、 有川浩原作、渡辺千穂脚本➡突然マンションの前で行き倒れている青年・樹役として「EXILE」「三代目J Soul Brothers」のイケメンメンバー岩田剛典が登場、半年だけ居候させてくれと哀願される。毎日上司の小言に消沈する不動産会社に勤務する人気女優・高畑充希がOL・さやか役で主演を務める純愛ストーリです。最近、綾瀬はるかの次に私が好きな女優です。有川浩は心の錬金術師です、男と女の心の機微を操り糸のように言葉で刺激し、感涙のエクスタシーと、恋愛関係のカタルシスを計算した原作と映画ですーネ。私も時間を忘れてこのハッピーエンドのラブストーリを堪能しました。ラブストーリは失恋で終わるよりも、恋の成就で終わるの気分かイイね。私が失恋した時にはこの映画をもう一度の観賞します、ワハハハ…。

 

9)★★『女が眠る時』(ウェイン・ワン監督)

ある高級リゾートホテルで一週間の休暇を過ごしていた作家の夫・健二(西島秀俊)と編集者の妻・綾(小山田サユリ)は、同じホテルに滞在する、親子ほど年齢の離れたプールサイドの、ミステリアスな初老男性・佐原(ビートたけし)と美少女・美樹(忽那汐里)のカップルに魅入られる。健二は次第にこの二人の不思議な愛情関係に深い関心を持ってしまう。その内に健二は窓から彼らを覗くことが日常になっていく。一見、日本人俳優を全て抜擢した邦画のようですが、ところが、スタッフは香港生まれのハリウッド監督、原作はスペイン人作家ハビエル・マリアス。日本市場に乗り込んだ和洋折衷の輸入チャンポン映画です。が、私には日本人受けをのらった3流映画に見えました…。終盤で美樹が失踪、食事のシーンでは、スランプに悩まされ、作家の道を断念して就職を決めた健二を囲んだテーブルでは、受賞祝いのワインで乾杯していました…。良く分からない脚本ですーネ。




10)★★★『モヒカン故郷に帰る』』(沖田修一監督監督&脚本)

瀬戸内海に浮かぶ故郷・戸鼻島(とびじま)へ7年ぶりに帰郷するモヒカン頭の、売れないヘビメタバンドのボーカル。好きな音楽だが、生活は中途半端な主人公・田村永吉を松田龍平が演じる。妊娠した恋人役に前田敦子と共に帰省する。静かに流れる島の時間の中で中学校の吹奏楽の指揮者をする酒屋の父親役に柄本明、母親役にもたいまさこなど個性的なキャストが集った映画でした。父親がにわかにがんと死期の迫った時、二人の結婚式が見たい…と、にわか結婚式を望む。半分コメディーな内容ですが、「横道世之介」同様に捨てがたい魅力がありますーネ。


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