10月下旬特選映画【32】★映画のMIKATA「メイズ・ランナー2」★映画をMITAKA | 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・

都市生活者の心と言葉を掌にのせた小説、電脳化社会の記号とイルージョンを巡る映画、都市の孕むシンボルと深層を探るエッセイ、街の風景と季節の色を彩る短歌…。小説と映像とエッセイと短歌をブログに・・・掲載します。






10月下旬の特選映画をアップロードします。今回6本を映画館で観賞、今月は通算で21本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』でした。「医療と映画」のDVDは7本見ましたが、ブログが長くなるので次回に廻しました。


1
1本目は、有川浩の原作小説を映画化した『図書館戦争』の続編『図書館戦争 THE LAST MISSION』(佐藤信介監督)でした。昭和から正化になって33年、関東図書隊のタスクフォースの隊員である堂上篤(岡田准一)と笠原郁(榮倉奈々)が、メディア良化委員会の検閲と焚書から読書と表現の自由を守る戦いを続けるー。


岡田准一と榮倉奈々の中途半端な淡い恋心のラブロマンスだけが続編の新しいシーンでした。その他に、岡田准一の相変わらず見事なアクションがありましたが、ただ、どうせ彼のアクションを堪能するならば、例えば「96時間」主演のリーアム・ニーソンや、「トランスポータ」主演のジェイソン・ステイサムような、例えば、シュワルツェネッガーの『ターミネー

ター』のような、ロッキー・バルボアを演じたスタローンのような本格的なアクション映画を岡田准一主演で観たいです…。日本の監督には彼を主役にアクションを光らせるリュック・ベッソンやジェームズ・キャメロンやサイモン・ウエストのような映画監督は居ないのかな・・・。


いや多分、まだアクション&アドベンチャーにふさわしい脚本がないんだなー。デモね、「図書館戦争」そのものは、ジョージ・オーウェル原作でスターリン体制の全体主義的な反ユートピア「1984年」を日本の舞台に置き換えて描いた有川浩の厚顔無恥な亜流作品ですーよね。まるでヒット映画を模倣する韓国映画のようです…!何故、誰も言わないのだろうか…な???


2

ロンドンに着任し、アメリカ大使館員として入国管理事務所に勤務するケイト(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、テロリストのイギリス経由アメリカへの入国を事前に食い止める任務をしていた。或る日、ケイトは不審な医師の入国を怪しむが、そのことがテロリストの手先となった暗殺者・時計屋(ピアース・ブロスナン)から狙われることになる。


2本目の『サバイバー』(ジェームズ・マクティーグ監督)は、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演なので『バイオハザード』シリーズのスーパーウーマンのアクションかなーと思ったが、ケイトは初め事件に狼狽を続ける単に優秀な大使館員に過ぎなかった。暗殺者と闘う闘志もなかった。だが最後に、クリスマスイブのニューヨクーでの大量殺戮毒ガステロを防ぐことになる…。また新しい「サバイバー」シリーズの続編が登場しそうだ・・・な。


3

1939年11月8日、ドイツ・ミュンヘンの酒場でヒトラーの演説中に爆弾を仕掛けて単独で暗殺しようとした青年、ゲオルグ・エルザー(クリスティアン・フリーデル)がいた。3本目は、13分早く終わった演説のために未遂に終わった暗殺計画の歴史的事実、ドイツが敗戦を迎える直前に処刑された最期までをドラマ化した『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(オリ

ヴァー・ヒルシュビーゲル監督)でした。


ヒットラーの暗殺はこれまで数々映画化されました。トム・クルーズ主演の「ワルキューレ」(ブライアン・シンガー監督。2008年公開)はまだ印象に残ってます。単なる音楽家であり家具職人の黒幕を、ゲシュタポが何んとか共犯者をはかせようと数々の拷問や自白薬まで使われて責められるが、爆破装置の製作や火薬の調達まで単独だと告白するー。映画を見終わった私も、黒幕がいるだろうと思いました。しかし、どうして暗殺者・エルザーを取り調べた警察署長が最後に絞首刑になったのかなーと不思議でした。


4

高い壁と怪獣の徘徊する巨大迷路から脱出した過去の記憶を失った青年たちを待ち受けていたのは、巨大都市が崩壊した廃墟と広大な砂漠と、病原菌に感染してゾンビと化した人間でした。4本目は、彼等を人体実験の捕虜として監禁する謎の支配者(WCKD)が執拗に襲う荒涼とした砂漠の迷路を歩き続ける三部構成の第二弾『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』(ウェス・ボール監督。ジェームズ・ダシュナー原作)でした。


どうしてもpart1を見た後に、やはり巨大な壁に囲まれた迷路を脱出したトーマス(ディラン・オブライエン)たちに、次にどんな困難が待ち受けているのかpart2が観たくなるーよね。そこが映画作りの巧さなのだろう。最後の最後で、脱出した仲間の一人、ヒロインのテレサ (カヤ・スコデラリオ)が何故か人類生き残りの科学組織、人体実験の「WCKD」に寝返りして裏切るところで終わるー。再び続編への期待が膨らみます。


地球と人類が壊滅した後に生き残った青年たちが、ストーリとしては未だ存在のハッキリしない未知のユートピアを探す物語なのです。が私、原作を読んでませんので、大ボラを吹くようで申し訳ないがー、物語としては古いパターンなのですーよね、やはり映画作りの巧さと原作の魅力が3部作の長編でも映画ファンを引き付けているのだろうーな。日本人監督にはない映画製作の巧さがここにはあります。娯楽映画としては一級品でした。


5

5本目は、休暇を過ごすため田舎にある母方の祖父母の家を訪れた姉弟が体験する恐怖を描く 『ヴィジット』(M・ナイト・シャマラン監督&脚本)でした。姉弟はドアの外から妙な物音と気配を感じ、恐怖と好奇心のあまり、夜9時半以降は部屋から出てはいけないという約束を破って扉の外を覗いてしまう。廊下で見たものは、祖母が全裸で夜中に奇声を上げて壁を拭いている怖ろしい姿であった…。物置を覗いてはいけないなどの約束を好奇心と恐怖から次々に破った姉弟は、そこに猟銃を口にいれた祖父の姿、納屋に悪臭を放つ汚れた紙おむつの山、丸めて隠された精神病院の寝間着、白骨化した夫婦の骸骨を・・・とうとう観てしまう。母とSkypeで話している姉弟は、実は祖父母は赤の他人なの・・・という母の訥々な告白を聞くのだが…。


ストーリとシーンの積み重ねで、次第に日常の薄い風景が剥がれて、ホラーへと変わっていくナイト・シャマラン監督独特のストーリ展開と映像タッチがいつもあるのだが、この作品は、結末に向かってゆっくり進む、しかしいつの間にゾクゾクっとする恐怖の落とし穴に嵌る、独創性がないなーと思いました。最早監督からは、意識にそっと忍び寄る突然の「恐怖」は期待できないのかな…とやや落胆する作品でした。


やはり、ホラー映画専門のジェイソン・ブラムとマーク・ビエンストックが、本作の総製作指揮に参加しているせいなのかなー、それとも最早、『シックス・センス』のナイト・シャマランらしい独創性は終わってしまったのかな…???だから、特選映画には選ばなかった。


6

既にロシアン・マフィアの凄腕の殺し屋から足を洗い、今は毎日の平穏と安らぎに満足しているジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、悲しみに暮れる妻の葬式の日に、マフィアのボス・ヴィゴの息子・ヨセフに、妻から贈られた子犬を殺され、愛車のムスタングを暴力で奪われる。6本目は、その安息を破られた復讐を誓い、今迄床下に封印していた武器と金貨を手に、殺しのスキルを甦らす迫力のアクション映画『ジョン・ウィック 』(チャド・スタエルスキ監督)です。


身長186センチの二枚目俳優、『マトリックス』シリーズで人気を博したキアヌ・リーヴスが、哀しみの果てに拳銃と格闘技でどす黒い復讐の殺し屋を演じるとは思わなかったー。邪魔する子分を次々に倒し、逃げ隠れていた息子のヨセフを仕留め、マフィアのボス・ヴィゴとの死闘を生き抜いたジョン・ウィックが、ラストシーンで、瀕死の傷口を手当てするために動物病院に侵入した後、犬を一匹連れて深夜の道路を去っていく場面には、凄惨な殺しを非情に続ける彼のヒロイックなアクションとのあまりの落差に、私は寧ろ滑稽さを感じてしまいました…。あれは脚色の失敗だーね。



尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)