「ウニバーサル・スタジオ」 北野勇作 2007-131 | 流石奇屋~書評の間

「ウニバーサル・スタジオ」 北野勇作 2007-131

北野勇作氏「ウニバーサル・スタジオ」読了しました。
どうでしょうかねぇ・・・

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北野 勇作
ウニバーサル・スタジオ (ハヤカワ文庫 JA キ 6-8)
出版元
早川書房
初版刊行年月
2007/08
著者/編者
北野勇作
総評
17点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:2点 
装丁:4点

あらすじ
ここはウニバーサル・スタジオ。大阪をテーマにした楽しいアトラクションがあなたをお待ちしています。巨大タコが襲う水上バスの刺激的なライド、四天王寺の亀の池ではカメ型メカとザリガニ型怪生物の痛快なバトル、通天閣からは軌道上イカリングへの魅惑のツアーにお連れします。そして、阪神タイガース優勝を祝しての道頓堀ダイブも心ゆくまでどうぞ。いや現実には、人類滅亡まで二度と優勝できなかったわけですが…。<<紀伊国屋Bookweb>>


人をくったようなタイトルと装丁。

概ね期待通りの作品ではありました。
ですが、今一つ、突き抜けたところがなかったのも事実でございます。

こちらでもいくつか感想を挙げていますが、例えば「佐藤哲也 」氏のような「日本語好き好き光線」が、「無意味に意味を持たせるセンス」とかが、やや弱いかなと思ったわけです。
(改めて、佐藤氏のすごさを知ったりするのですが)

タイトルの通り、テーマパーク「ウニバーサル・スタジオ」に関する物語です。
物語といっても「表」「裏」「外」「内」という4つの章に構成され、最初に「表」に関しては、本当にパンフレットに記載されているような文体となっており、それを受けて、以降の3章が構成されています。

いわば、物語全体が、「ウニバーサルスタジオ」の裏ネタ話といった構成というわけですね。
周囲の状況から「ウニバーサル・スタジオ」という場所を明らかにしていくという手法は、良くある暴露本の構成に似て、なかなか面白かったです。

ただ、前述したように、もう一つ突き抜けた感じがしないので、全体として「ベタ」っとしちゃったんですよね。
そこが個人的にはもったいないななどと感じてしまいました。