Believe 16 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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Believe 16 /Side-A





予想はしてたけど、やっぱ翔ちゃんの記事への反響はすごかった。




見たくないって思うのに、どうしても手から携帯を離せない。



震える手

吐きそうにモヤつく胸



それでも指が、リンクを開いてしまう。





翔ちゃんを信じてるって思うのに


こんなの読んだっていい事なんてないって分かってるのに


相手(むこう)の言い分や、みんながどんな風に翔ちゃんのこと噂してるのか気になって。





翔ちゃんの築いてきた経歴を蔑むような記事がないか気になって。



翔ちゃんを傷つけるような記事にそんなことない、何も知らずに憶測で人を貶(おとし)めるなんて絶対許せない、許さないって、強気になったり、



翔ちゃんの言った『話の転がり具合』が気になって、追い風色の強い記事に弱気になったりを繰り返した。






・・・昨夜は、あのあと翔ちゃんは夜遅くまで副社長達と一緒で

今朝はまた早くから呼び出されててそのままZEROに行くって言うから無理しなくていいよって言ったのに、



自分家(ち)じゃなくておれん家(ち)に帰ってきてくれて

おれたちはいつもよりゆっくり、いつもより大事に愛しあった。





おれは



朝ごはん代わりのスムージーが入ったタンブラーを翔ちゃんに手渡して見送ったあと



ずっと



翔ちゃんの匂いと温もりの残るベッドに潜り込んで

翔ちゃんにもらった手触りのいいブランケットに巻かれて



ぐるぐるぐるぐる、出口のない同じところを無限のループみたいにさまよっていた。





・・・記事を、読んだんだと思う。

風間ぽんが、今日時間合うなら新しくできたスーパー銭湯に行こうって誘ってくれた。

キミちゃんが、仕事あがりに家(うち)に来ていいか聞いて来た。



でも、長時間笑顔を作る自信がなくて、ごめんねありがとって断った。






ベッドの中で携帯を見ては浅い眠りに落ちるのを何度も繰り返しているうちに

気付いたら、閉めきれてなかったカーテンの向こうの空は夕暮れになっていて


のそのそと重いカラダを引きずるように起き上がって

フラフラとキッチンへ向かった。




朝のままの洗い物を一瞥して

冷蔵庫のペット水を飲み込んだ。




「っはぁ、」




一気に取り込んだ冷たい水のせいで胃が痛む。




「いてて、」




ギュッてなる胃の痛みに耐えながら目を閉じると目の前をあの写真がチラついて




「翔ちゃんを利用するなんてヒドイよ・・・、」




ガマンしていた涙がこぼれた。




こぼれた涙はおれの弱いキモチを心の深いところからズルズルと引っ張り出してきて



おれにくれる翔ちゃんの愛情(リアル)と

嵐のみんなの優しさと

風間ぽんやキミちゃんのあったかさが

今起きている現実(ウソ)に反比例して



それを感じれば感じるほど

翔ちゃんを救ってやれない自分の不甲斐なさに

怒りのような情けなさを痛感して悲しくなった。





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