ska-n-tastic さんのブログで知った、ミッシェルルグラン作曲の「栄光のルマン・ハンター」のカップリングCDを聴いているうちに、あの頃が、甦りました。
確かに、この音楽だった。
マックインが死んだとき、まるで実感がなかった。当たり前だ。別に、彼は隣に住んでいるわけじゃない。
僕とマックインは、映画の中でしか会わない。
亡くなったと聞いた後、「ハンター」を見た。
それみろ、マックインは生きているじゃないか・・。
正直、この時期、すでにマックインの人気は下降していた。
「民衆の敵」なんて映画を作って、演技派を目指したが失敗。以前のような、スター大作映画を作る力はなかった。
でも、そんな境遇が、この作品に幸いした。
監督は、バズキューリック。「戦うパンチョビラ」「シェイマス」など、けして大作ではないが、おもしろいB級映画を撮る職人。
彼によって、マックインは完全に、リラックスした演技を披露した。
彼の役は、バウティハンター、賞金稼ぎ。
通称パパ。アンティークオモチャの収集癖がある。彼の家には、いつも誰かがいる、にぎやかで楽しい。
そのなかに、彼が、仲間いり。
この顔にピンときたら、あなたは海外ドラママニア。ヒントは、クンタキンテ。彼の出た作品についてはまた書きたいので、ここでは謎のまま。
このパパの設定で、一番、楽しいのが、車の腕前だ。
世界一車の運転のへたくそなバウンティハンター。
でも、世界一へたくそに見せる運転は、達者じゃなくては出来ない。あのメチャクチャな駐車は、運転がうまくなきゃ出来ないよ。
彼は、フィアンセと一緒に、妊婦の教室に行って呼吸法を習ったりする。こんな優しいシーンは、いままでの彼の映画にはなかった。
この映画のラストシーン、マックインは、とても優しい顔になる。
こんな優しい、楽しい映画を作ったことで、晩年のマックインの荒れた私生活による悪い評判も、消えてしまった。
いや、そんなもの、元から観客には関係ない。マックインは、隣に住んでいるわけじゃなく。映画の中で生きているんだ。
彼の映画を観るとき、また彼は生き返る。相変わらずの器用なガンテクニックと、不器用な笑顔で・・。
(このレビューのなかで、マックィーンを、マックインと表記しているのは、わざとです。僕の中ではスティーヴマックインなので)
またオマケ画像
あんまり欲しくない・・