10手先を、考える | ビジネスようちえんブログ

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こんにちは。



佐々木です。



ていうか、お久しぶりです^^;




先日、お笑い芸人のカンニング竹山さんが、TV番組の悩み相談コーナーで、

「段取りの悪い奴が許せない」と。


彼の奥さんの行動でも、たとえば掃除などを見ていて
「何で1手2手先しか考えていないんだ。もっと3手4手先を考えて動け!」

とイライラして、それでよくケンカになる、と。

でもそんなイライラする性格を直したい。
という相談をされていたのですね。


そこで軍事評論家の方が、
「竹山さんは段取りを語る資格がない」と。

「もっと3手4手先を考えて動け」と言うぐらいの人は、
10手ぐらい先を読まなきゃダメだ、と。

「この人は思い通り動かない」ってことまで考えて、それを想定して動くべきだ、と。

竹山さんがもし軍隊の司令官だったら、その軍隊は全滅。みんな死んでる、と。


「俺はここまで考えているんだ!なんでお前らは分からないのか?」と怒っている場合ではない。
そんなお前らがわかんないところまで織り込んで考える奴が段取りを語る資格がある奴なんだ、と。
つまり思った通りに行かないことも想定した上で段取りを立てる必要がある、と。



。。。これはそのまま従業員教育にも当てはまると思いませんか?o(^-^)o


「なんでこんなことができないのか?」
「普通わかるだろ?ちょっと考えたら」
「常識で考えたらわかるやん、こんなん」
「子供でもわかるで、こんなこと」
「1から10まで説明しないとわからんのか?」
「ジェネレーションギャップなのか?これは?」
「1聞いて10を知るって言葉、知らんのか?」
などなど・・・

いろいろ悩みはあるかと思います。
でも。。。


上司という仕事は、教え方のスキルが1つや2つしかないようではダメなんです。

それに、アナタの「常識」や「普通」が、バイト君の「常識」や「普通」とは限りませんし。

アナタがバイト君に頼んだことが、たとえどんなに簡単なことでも、
また「ココからココまで出来ていれば完璧!」というイメージが、
アナタが思う理想の結果と、バイト君のイメージが違っていれば・・・
そりゃあ満足のいく結果が得られるはずがありませんよね?


そもそもそういった価値観統一ができていますか?
そんなことをちゃんと話したり語ったりしていますか?
1回語ったぐらいではダメですよ。



「ゴトー式口説きの赤本」など多数の著書で有名な後藤芳徳氏曰く、

人間の脳というのは、長期記憶の方に保存されるデータと、されないデータがあって、

その差は何かというと。。。


「生命維持にどれだけ関係あるか」

というのが基準になっているそうなんです。


もの凄くポジティブなことがあった時に

「こんなに感激的だと脳が反応して感情が動いたんだから、コレを覚えておくということは生命維持に関係あるに違いない」

と脳が判断した時に長期記憶の方に行くんだそうです。


それと、すごく辛かったり苦しかったりという感情が動いた時
「こんなに大きくネガティブな方向に感情が動くんだから、コレを覚えておかないと生命の危険にまた陥るかもしれない」

と脳が思うので、長期記憶の方に行きます。


でさらに、繰り返すということは、

「こんなに何度も起きるんだから、きっと生命維持に役立つに違いない。覚えておくべき重要なことだから何回も起きるんだろう」

って脳が思うんです。


だから部下には、特に若い子には、若い子の感情が動くように話さないといけないのですね。
また、若い子には何度も言わないといけない。
本人が覚えたい、覚えたくないとかは関係ない。
繰り返されたら、長期記憶の方へ行きますから。


10回で覚える奴もいれば、100回言わないといけない奴もいるけれど、
「このことはどうも生命維持に大切なことだから覚えないといけない」と、
部下の脳が覚えるだけの回数を言わないといけないのです。

で、その部下の脳が長期記憶の方に保存されるように、

上司が明るく指導するか

「こらぁ!」って叱りながら指導するかです^^;

長期記憶の方に保存されるのであれば、鬼でも仏でもうまくいきます。


結局それに成功しないと、長期記憶の方に保存されませんから、
とにかく相手が喜ぶか悲しむか、ポジティブかネガティブに感情を動かすか、そうじゃなければとにかく繰り返す、と。


そもそもアルバイトは基本的に指示しなければ何もしてくれません。
指示しなくても勝手に仕事を見つけて動いてくれるアルバイトがいたら、
それは超ラッキーな店で、普通そんな優秀なアルバイトは来てくれません。


また店側も、ほとんどの店が「作業」レベルの教育しかしていません。

「なぜこうするのか?」
「なぜウチではこうするのか?」
「なぜここまでする必要があるのか?」

理由や価値観まで伝えて教育しているところが少ないんです。


見込み客がみなさんの店に入るのに、私がよく言う「入る理由」がないと見込み客は入りようがないのと一緒で、
アルバイトも、

「何でそれをやらなきゃいけないの?」
「何でそこまでやらなきゃいけないの?」

がわからないと、動けません。

意図を説明されずに

「とりあえず動け!」
「とりあえずやれ!」
って言われても理想の結果を出すことは難しい。


マラソンをさせられているのか、短距離をさせられているのかわからずに、

「もっと全力で走れ!」
「手を抜くな!」
と言われているようなもんです。

全体像がわからずに、クオリティの高い仕事はできません。

特に今の子は、根気よく育てなければ続きません。


また、評価基準も分かりやすくしなければなりません。
過去の記事でも書いたかと思いますが、プロスポーツの契約更改が揉める原因と一緒で、
自分が「やった」と思っている結果と、査定側の結果に温度差があると、
モチベーションの低下どころか、退団騒ぎに発展するぐらい揉めることになります。

ですから、何をどこまでできると給料上がり、
何がどこまでやれると「あいつは良くやっている」と評価されるのか?
評価基準がアルバイト君にもわかるようにしてあげてくださいね。


それでは今回はここまで。