古森義久氏が自身のブログ「ステージ風発」で、山際澄夫氏の鳩山首相の主張はNHKと朝日にもてはやされた寺島実郎氏の口うつしであるという批判を紹介していたので、紹介の紹介をするとともに、全ての拉致被害者奪還という立場から、氏の対北朝鮮論を俎上に載せることにした。まずは「ステージ風発」から。

ステージ風発

鳩山外交は民間ブレーンの口うつし?!


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鳩山首相が外交政策について最初に論文を発表し、発言を始めたとき、「おやっ、どこかで聞いたのと同じだな」といぶかった人は多数、いたと思います。

私もそうでした。

そうです。鳩山外交は彼のブレーンとされる民間の「識者」寺島実郎氏の主張と気味の悪いほど同一なのです。

鳩山首相がもし学者だったとして、VOICEやニューヨーク・タイムズに発表した論文は寺島論文からの盗作だと非難されてても、やむをえないくらい、両方の論文な酷似しているのです。

そのへんの実情を政治評論家の山際澄夫氏が雑誌『WILL』12月号に「東アジア共同体の仕掛人 寺島実郎」というタイトルの論文で詳述しています。

その山際論文の一部を紹介します。


                =======

$拉致被害者救出荒木調査会代表支持勝手連
(前略)

日本属国化のシナリオとも言うべき「東アジア共同体」を鳩山首相はひとりで考えたのだろうか。

もちろん、そうではない。

政権交代を「革命」と呼んだ首相に、「古き冷戦型の思考を捨て去り、大転換のシナリオ(構想力)」を打ち出すようにそそのかしてきた人物がいるのである。

文藝春秋十月号に「米中二極化日本外交のとるべき道」と題して民主党が取るべき外交防衛政策について寄稿した三井物産出身の寺島実郎氏(日本総合研究所会長)だ。

朝日新聞は寺島氏を首相の外交政策に影響を与える「唯一のブレーン」(「鳩山首相研究 孤高支えた淡い人脈 「真の友」は数人」九月二十五日)と断じる。

別の記事では〈鳩山代表が旧民主党の結党当初に唱えた在日米軍の縮小構想「常時駐留なき安保」にかかわった。

鳩山氏が6月に訪韓した際、李明博大統領に披露した「東アジア共同体」構想の理論的支柱でもある〉(「民主党研究3 応援団は一匹狼たち」九月五日)とまで報じている。

寺島氏自身も鳩山首相との昵懇な関係を朝日新聞とのインタビュー(八月四日)でこう表現している。

〈長い縁がある。冗談で「鳩山由紀夫=キリスト論」を言ったことがある。殺伐とした地で愛とか言い続けて、ローマ帝国に殺された。でもだんだん、あいつはいいやつだったと思い初めて、人の心を打ち、世界を変えた〉

また、文藝春秋の論文でも、

$拉致被害者救出荒木調査会代表支持勝手連-hatoyama
〈新時代の外交の舵取りを行うのが、戦後の「団塊の世代」である鳩山由紀夫氏ということにも運命的なめぐり合わせを覚えます。私も同世代人ですが、鳩山氏は全共闘世代特有のぎすぎすした感じがなく、育ちの良さも手伝ってか他人への猜疑心や嫉妬心といったものがまったくない。個人的なつきあいの縁も長いのですが、日本の政治家の中ではひときわ目立つユニークな人物だと思います〉

と述べている。

なるほど寺島氏が「唯一のブレーン」だというなら鳩山首相が中国にあられもなく傾斜するのも理解できなくもない。

寺島氏はブッシュ政権時代に何かにつけて反米的な言辞を弄して朝日新聞やNHKにもてはやされた人物だからである。(後略)


                ========

 「古き冷戦型の思考を捨て去り、大転換のシナリオ(構想力)」というと、戦争ではなく平和を希求しているように思ってしまうが、そうではない。全体主義を美化し、ファシストたちによる人権侵害により、生存権を脅かされている多くの人々を見捨てて、偽りの平和の中で、ひたすら利潤だけを追求していくことなのである。
 ヨーロッパでは死滅した共産主義という妖怪はアジアでは未だに生き続け、チベットやウイグルなど少数民族の地を植民地化し、台湾をも呑み込もうとしている。その妖怪と共同体を作って、自ら進んで属国となろうとしているのが鳩山構想であり、そのブレーンが寺島実郎氏なのだ。
 ファシズムと抱擁することは革命でも改革でもない。堕落である。


 続いて小泉時代の講演だが、埃をはたいて引っ張りだしてきた。

(第3回 JRIミニフォーラム - 寺島実郎基調講演より抜粋)
「対米協調政権」のみ一貫していた小泉内閣



(前半大幅に省略)
したがって、先に申し上げたように、外交の基軸になるような「理念」がどこにあるのかなあ、という時に、突き詰めていくと「対米協調政権」であるということだけは間違いないですね。まず靖国の問題もそうですし、北朝鮮問題もそうです。

北朝鮮問題も、皆さん、じっと見入ってる人は感じていると思いますけれども、僕は最初に小泉さんが平壌訪問ということで動いたときに、大変評価したんですね。なぜなら北朝鮮の脅威というのは、日本の外交上の喉仏に突き刺さっている骨みたいなものですから、それを指導者自ら乗り込んでいって解決して、日本を取り巻く脅威を取り除いて行く努力とすればそれは大変なもので、それはそれなりに評価しなければいけない。ただし、メディアで聞かれたときに僕はこう表現しますね。「最大の今後の展開を握る鍵はアメリカの本音だ。アメリカが本当に日本と北朝鮮の間の国交の正常化を期待しているのだろうかと。必ずしもそうとは思えない」ということを文脈に残して、そう言っていたのです。「冗談じゃないよと、アメリカの了解も取らずに動くわけないじゃないの」などと、僕はいろんな人とディベートしていましたから、よく感じられたんですけれども、案の定だったですね。日本人はまず拉致問題という問題がすっと浮上してくることによって、凍りついた。さらにアメリカがジム・ケリーの平壌訪問で核疑惑に引っ張られていきましたね。核を作ろうとしているあんな国と仲良くするのか、というボールが投げられた瞬間に凍りついた。日朝国交正常化だとか、アジアに主体的に新しい信頼のシステムを作ろうじゃないかなんて話がどこかに吹っ飛んじゃって、今や憎しみの増幅みたいな中を走り巡っているというわけです。

21世紀に入ってから、日本人は北朝鮮という国は国際社会の中で孤立している、と認識していますけれども、欧州から見るとそうでもないですね。この前もジェネーブに行っていろんな外交関係の人の話を聞いていて、ため息でましたが、北朝鮮というのは今、世界154カ国と正式の国交を結んでいます。日本のパスポートにだけは北朝鮮は例外と書いてありますけれども、実は154カ国と国交を結んでいるんですね。

とりわけ、21世紀に入って、欧州の主要国とことごとく国交を回復して、フランスを除く殆どの国と大使の交換までやって、平壌にはイギリスの大使もいます。そういう状態にいるから、日朝でもみ合っているといっても、日本の視点からすれば、北朝鮮なんて世界のならず者国家で、さぞや孤立しているのだろうなと思っていると、欧州の目線からすれば、そうでもなくて、どっちもどっちだという位の話に出くわすんですね。拉致問題でも被告と原告がリングの上で乱闘しているような印象を与えている。



 寺島氏の持論「親米入亜」は、アメリカとの同盟関係を大事に踏み固めながら、アジアに重層的な関係=東アジア共同体を作ることに踏み込むというもので、金融でもエネルギーでも食糧でも環境でも、ちゃんと実利に繋がる連携の仕組みを作ることが大事だと主張している。そこには価値観の違いも、イデオロギーの違いもない。あるのは実利だけである。
 実利だけだから、わが国の罪なき民を拉致して、いまだに返さない金正日独裁政権も協同体の員数にいずれ入ってくるのは間違いない。
 彼の北朝鮮を見る基準は孤立しているかいないかであり、拉致問題は被告と原告がリング上で乱闘しているようなもので、どっちもどっちだという印象を与えているだけだという結論で終わってしまう。ヨーロッパの諸国がどっちもどっちもだと見ているのなら、それは違うという語りかけをすべきだし、拉致だけでなく、脱北者や強制収容所の人権抑圧をも訴えていくべきなのだが、冷戦型の思考を捨て去るべきだ(サイト紹介 古森義久氏のステージ風発・参照)という寺島氏の脳裏には、中共による人権弾圧が映らないように、金正日による人権侵害もあらかじめカットされているのである。
 “今や憎しみの増幅みたいな中を走り巡っているというわけです”と言う憎悪論は、北朝鮮工作員吉田康彦教授が相殺論で用いる得意手とまったく同じである。

 寺島理論口移しの鳩山首相はそれに「友愛」を加えるから、愛の対象は中共や金正日独裁政権となり、ファシストと熱い抱擁をしてしまうのだ。


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