HSBC香港の口座開設がかなり難しくなっている件 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!


今年になってからHSBC香港口座開設の厳しくなったという話しを聞いていたが、1月はまだそれほど致命的ではなかった。


いずれにしても、英語が話せる人にとっては致命的な問題ではないが、2月に入ってからは英語が話せない人にとっては致命的に難しくなっている。


先週口座開設を行った人の情報によると、通訳者のブース同席はもちろん不可能だが、本店で拒否された人が同日に支店で口座開設をしたところできた。


しかし、本店から拒絶の情報が支店に入り、後日電話による本人確認が必要となった。


つまり、パスポート情報と紐付きでどこかの支店でいちど拒否された人はブラックリストに載るということだ。


また、英語による行員とのやりとりで必ず聞かれる「What is your purpose of opening HSBC

account?」という質問に対し、一般的には「For Savings and Investment」と答える場合が多いと思うが、それも具体的に英語でうまく説明できないと不可になる場合があるそうだ。


たとえば、フレンズプロビデントやRL360°(ロイヤルロンドン)などの積立をやってる人の場合、将来の受取口座としてHSBCの口座を開設する人が多い。


それを行員に開設の目的として正直に「To receive money from my existing overseas investment in the future.」というように答えた場合、今までならば何の問題もなかったが、2月以降にある支店で口座を開設した全員が、なんと、その投資している証明を出せと言われている。


つまり、証券のコピーなどを提出せよと言うのだ。


これは、もはやいじめに近い。


行員の執拗で陰湿な質問攻めにあって、ぶち切れて「こんなことまで言われておまえんところの口座なんか要るか!」と怒ってギブアップしてしまう人まで現れている。


こうなってくると、「口座開設をお金を貰って手伝う」というビジネスはもう成り立たない。


タイミング良く、「HSBCスイスのプライベートバンクから顧客情報流出」というゴシップ系記事がメディアに取り上げられたりして、現実をよく知らない一般の人たちにとってHSBCの評判もガタ落ちとなっている。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0LH0I120150213


「HSBCの口座なんてもう要らない」というのがトレンドになりそうだ。


これも、「HSBC口座開設」というのが昔のようにビジネスにならなくなると、自分のお金にならないそのようなことを勧める人が少なくなり、結果として「HSBCはもうダメだ」的な風評に繋がりかねない。


が、果たしてそれでいいのだろうか?


そもそも英語さえ、(さほど上手とは言えない)香港人並に話せれば、主導権は客であるこちらにあり、なんの杞憂も問題も無い話しだ。


あと、団体でぞろぞろガイド付きで銀行に口座を開設に行くなんてのは世にも奇妙な日本人だけの現象であり、それ自体がどう考えても元々不自然だ。


お金を払ってガイドに案内を頼むにしても、自分でそのガイドを見つけて行けばいい話だ。


英語が心配なら、英語を勉強すればいいだけの話しだ。


本当に必要なものを手に入れるためには、お金だけでなく努力するのが普通だろう。


何度も言っているように、日本人の中で「海外の銀行口座が自分にとって本当に必要だ」と理解できるレベルの国際レベルの金融リテラシーの持ち主は1万人にひとりくらいしか居ない。


大多数の意見によって構成される世の中の流れに平気で逆らってひとりで泳げる行動力がなければ、海外、特にタックスヘイブンでの資産運用など不可能に近い。


HSBC香港の口座を持つと言うことは、海外の金融市場という果てしない海にひとりでこぎ出すためのパスポートを手に入れるようなものだ。


パスポートがなければ海外には渡航できないが、パスポートがあっても渡航したことが1度もない人は沢山居る。


渡航しないのであれば、パスポートなど不要なのだ。


今回の口座開設が難しくなった件は、今までの流れとは明らかに異なる厳しさと感じられる。


しかし、巷で噂されるようにHSBC香港の口座がいずれは全く開設できなくなるということは無いだろう。


英語もしくは中国語によるコミュニケーション力が無ければ、開設も維持も困難であるというだけのことで、かつて開設できた英語の全く話せない人たちの口座が維持できずに休眠や閉鎖されていっている現実を考えると、状況は別に変わってはいないと言える。


これから口座開設に臨む方々は、渡航前に十分な英語による会話の練習を業界の専門家と相談してみっちりとやっておくべきだろう。