南北アメリカ大陸からのクラシック・ギター作品 | sarsyのブログ(洋楽&クラシック・ギター ディスクジョッキー)

手前味噌からはじめます。


クラシックガーデン放送14年間のデータ


作曲家★ヨーロッパを除く結果

1位 57曲計175 from合衆国・・・ヨーク

2位 30曲計132 fromパラグァイ・・・バリオス

3位 66曲計121 fromブラジル・・・ヴィラ=ロボス(交響曲、ピアノ協奏曲なども含む とにかく多作家)

4位 30曲計 72 fromアルゼンチン・・・ピアソラ

5位 19曲計 65 fromベネズエラ・・・・ラウロ

6位 15曲計 56 fromメキシコ・・・・・・ポンセ

7位 23曲計 51 fromキューバ・・・・・ブローウェル(ビートルズ等の編曲を除く)



かつてはスペインほじめヨーロッパ中心だったギター作品。

20世紀の後半より、

その中心は 南北アメリカ大陸に移りました。

これは ギタリストがレコーディングする曲から充分に理解できました。


1986年のこの一枚が 大陸移行のきっかけだったと思います。

ピアソラ:タンゴ組曲/セルジオ&オダイル・アサド
ピアソラが書いた『タンゴ組曲』はこの二人に書かれました。
¥1,050
Amazon.co.jp  またこの中のひとり、セルジオ・アサドは自演で ワルツ風に をレコーディング。
非常にすばらしい ギター2重奏曲が 80年代に誕生しました。

また余談ですが

この1980年代といえば

ロドリーゴの【 スペイン風3つの小品(ファンダンゴ、パッサカリア、サパテアード)】が

全曲レコーディングされた時代でもありました。

ブリームを皮切りに、福田 進一、イエペス、フェルナンデス、バルエコらが

ほんの5年ほどで たて続けにCDに収録。ほとんどブームでした。


話はアメリカ大陸に戻ります。

1986年のアサド兄弟のレコード(当時はLP、CDが共存していた)をきっかけに、

ヨーロッパのギター作品が入っていないCDが増加の一途をたどります。

印象的だったアルバムをならべます。

21世紀のタンゴ/福田進一
3rdアルバムは、タンゴと思われる曲想のナンバーばかりを収録
¥3,066
Amazon.co.jp    ほとんどが南米発、ピアソラ唯一のギター・ソロ作品『5つの小品』も収録。
あと ディアンスのタンゴ・アン・スカイを いち早く紹介。(ヨーロッパ発ですが)
スピリット・オヴ・ザ・ギター/ウィリアムス(ジョン)
ヨークのサンバーストを初めてナイロン弦で弾いたCD
¥2,867
Amazon.co.jp  88年録音。バリオスのアコンキーハが心に響きます。


カヴァティーナ/村治佳織
 15曲のうち12曲が米大陸発。
¥2,100
Amazon.co.jp  サグレラスのはちすずめ<アルゼンチン>、ヨークのサンバースト<合衆国>の
2曲が 非常に有名になったきっかけの一枚。
ザ・カデンツァ17/木村大
1999年デビュー
¥2,940
Amazon.co.jp  ここではヨークのサンバーストの続編である
  →ムーンタンをヨークがこのギタリストにプレゼント。
ほとんどがアメリカ大陸発のギター作品集。

11月のある日/大萩康司
2000年デビュー作。
¥3,045
Amazon.co.jp   現在ではポピュラーとなった 11月のある日 収録
全曲ブローウェル<キューバ>作品集(編曲含む)
2重奏で加わった(ビートルズの1曲)ギター作曲家ゲーラとのつながりは ここから。
Voyage~旅~/福田進一
モンターニャの『コロンビア組曲1番』がGood!
¥3,000
Amazon.co.jp     コロンビアの作曲家とは珍しいです。
ほぼ南北アメリカ大陸のギター作品。

プラス・ワン

ラテン旋風/マリア・エステル・グスマン
すばらしいギタリスト。レーベルがファンハウスだったばかりに廃盤・・・
¥3,059
Amazon.co.jp   南アメリカ大陸発のギター作品集。アニード、フレウリら
ほとんど聞けない作品も収録。

ここ数年より、再びスペイン音楽のCDなど

ギタリストが好む音楽は やや以前(1985年以前のヨーロッパ型)に戻ってきたようです。

これからもギター音楽の流れを 見つめていきます。