生活保護の生活の実態
生活保護の生活の実態
私はうつ病で、障害年金と生活保護で単身生活をしています。毎日の生活が病気との闘いです。それでも、一人暮らしを続けています。また、京都の患者会で《なかま》とともに支え合って生活をしています。(詳しくは月刊『むすぶ』No.424の「皿澤剛の一日」を読んでください)
ところで、生活保護での生活ですが、正直なかなか大変です。もちろん、私は働くことができないし、家族からの援助もしてもらえない、貯金も無いということで生活保護を受けています。僕にとっては最後の命綱です。しかし、やはり最低限度の生活というのはなかなか苦しいです。具体的には、家賃の占める割合が大きいです。生活保護の総額から、家賃・共益費・水道代をまず引き出します(これは毎月定額です)。残りが生活費ですが、年金も含めてひと月約8万円です。ここから、食費・光熱費・通信費・交通費(特に京都は交通費が高いです)を出さないといけません。あと雑費(散髪代や服代など)もあります。
僕は料理が出来ません。しんどくてできないのです。しかし、外食もできません。外食はとても高く経済的に無理です。食費は一日800円~1000円にしないと生活できません。それで、お米だけは炊いてあとのおかずは納豆や卵やきゅうりや冷凍食品にしています。また、患者会の週2回の食事会で栄養をとっています。
患者会が休みの日はほとんどどこにも出かけません。交通費がかかるからです。新聞も取っていません。そうやって、なんとか毎月やりくりをして生活をしています。それでも月末はお金が無くて大変です。
しかし、僕はまだ恵まれているのです。それは「障害加算」が付いているからです。だいたい2万円弱、健常者の方よりたくさん生活費をもらっています。逆に言えば、本当は生活保護の生活費は6万円強なのです。母子家庭の人も高齢者もその金額で生活しています。母子加算も老齢加算もこの2年で無くなりました。最後に残った障害加算も無くなるか減らされるでしょう。また、基準額そのものも確実に減らされていきます。それにそなえて、もっと切りつめた生活をしていかないと生きていけません。また、借金は絶対にできません。もちろん借金自体良くないことですが、仮にどうしても借金しないといけないことがあってもできないのです。それは、借金も「収入認定」されてしまうからです。
生活保護は最後のセーフティネットだと言われています。しかし、今現在受給している140万人の生活はそのように苦しいものです。そして追い打ちをかけるように、「有期保護制度」の創設や医療費の一割負担という案がでてきています。私たちに死ねと言っているのでしょうか。また、受給者は毎日、「保護」がうち切られるんじゃないかという不安を抱えて生活しています。「ケースワーカー」という名の監視員が定期的に住居に乗り込んできます。民生委員も味方ではありません。それが実態です。
おそらくこれからは、死人がたくさん出てくるでしょう。いまも毎年3万人以上の自殺者がいますが、殺されていると言ってもいいでしょう。しかし、これからはますます酷い状況になっていくことが確実です。
この流れは止められないのだと想います。
月刊『むすぶ』・ロシナンテ社
http://www9.big.or.jp/~musub/
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以上の文章は「S氏の時事問題 」というブログの「過半数の世帯が感じる「生活苦」 」という記事にコメントした文章です。
生活保護で生活する実態は上記の通りです。