一例を挙げますと、
夫婦の間に子が生まれました。
父は嬉しさのあまり、その子名義の預金口座を開設しました。
そして少しずつ、その子名義の口座にお金を入金していきました。
父が亡くなった頃、その口座の残高は数百万円に達しておりました。
子は、父の遺品整理をしていたときに、初めてその口座の通帳を発見しました。
これはよくある話だと思います。
さて、これは贈与に該当するのでしょうか?
答えは、「贈与に該当しません」です。
私は税理士なので、あくまでも税務的な考え方に特化してお話しますが、税務上は贈与とは認められず、父の財産となります。
子から父への「ありがとう」が無かったからです。
口座の名義が子であろうとも、実質的には父の財産です。
税務の世界では、形式よりも実質を重視するのです。
生前贈与を友好的に活用したければ、
まずは贈与の要件をしっかり満たすことが必要です。
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