賃貸借契約においては、「家賃」や「入居前に補修しておいて欲しい箇所」など申し込み時に貸主に交渉することが多いです。

私は、「借主さんには少しでも好条件で入居して欲しい」ですし、「貸主さんには、借主さんが心底納得し少しでも長く入居していて欲しい」ので、オーナー(又は管理会社)への交渉は積極的に行います。
しかし、賃貸借の場合問題となるのが、「入居審査」。
原則「貸主には借主を選定する権利がある」のです。

まずは、借主が気に入った物件に入居できるということが第一優先になります。


例えば・・・
1、「蛇口の水漏れを直して欲しい」
2、「戸の締りが悪いので直して欲しい」
3、「雨漏りを直して欲しい」
4、「排水口を新設して欲しい」
5、「壁紙が気に入らないから張り替えて欲しい」
6、「網戸をつけて欲しい」
7、「エアコンをつけて欲しい」
8、「ペットを飼わせて欲しい」
9、「1ヶ月フリーレントにして欲しい」
10、「家賃も下げて欲しい」

などと多くの注文をつけられれば、大抵のオーナー(又は管理会社)はこう思います。
「この人は入居後もいろいろ文句を言うのではないか?」
すなわち、交渉事が多ければ多いほど、入居不可となるリスクが高まるという事です。

絶対譲れない条件できれば的条件を明確にしておいて、交渉することが大切です。

1、その条件が認められなければ契約しないという条件(交渉事)を決める。
2、入居審査承認後に、できれば的条件をお願いしてみる。

2番の場合はあくまでも後出しですから、オーナー(又は管理会社)の好意に期待するしかありません。生活に支障をきたす不具合以外の事で、後から注文をつけ、さらにゴネたりするのはアンフェアです。


ちなみに民法第606条によると、「賃貸人(貸す人)は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」となっておりますが、民法第606条自体が任意規定であるため、特約によってこれと異なる定めをすることも可能です。
あくまでも契約時の内容によりますが、通常は、修繕義務を賃貸人(貸す人)と賃借人(借りる人)でそれぞれ分担するのが一般的です。
この点については、必要費(目的物を使ううえで必要な費用)か有益費(目的物を使ううえで必要ではないが、目的物の価格を高める費用)なのかに別けて考えます。
上記の例だと、1~3は賃貸人負担。4~7は賃借人負担となるのが一般的です。
ですから、4以降の条件は申し込み前に予め交渉をまとめておくことが必要になります。

さて、借主としてはどこまでを事前の交渉に組み込むべきか?
そこの部分は仲介の営業担当とじっくり相談してください。

良い営業担当なら、その貸主に合わせてうまく交渉してくれるでしょう。
たまに、何でも「それは無理ですね~」で片付ける営業担当もいますけどね。