賃貸物件を見て、「残念だな~」と感じるポイントのひとつに、「浴室水詮」があります。
簡単に言うと、シャワーとかの蛇口です。

私の推奨はこれ!↓(今ではもっと優れている物もありますが、とりあえず最低限)
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サーモスタット付シャワーバス水栓とか、サーモ混合水詮と言います。
要は水とお湯の調整をハンドル一つでできます。・・・ということは、体を温めたい時にはハンドル一つで温度を上げて、顔など洗う時(ぬるい方がいい時)はハンドル一つで温度を下げたり、シャワーを出したり止めたりもハンドル一つでできるということです。

賃貸以外の住宅では、10数年前からあたりまえの設備だと思います。


ところが、未だに賃貸の新築マンション(アパート)では、
このタイプが多いのです。↓
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そう、ツーハンドルタイプです。

このタイプは、シャワーを出す時にはお湯のレバーと水のレバーと両方調整しないといけません。しかも、その調整はデリケートで、熱くなりすぎたり冷たくなりすぎたりとなってしまいます。
これを解消するために、ツーハンドルタイプのユーザーは、湯沸かし器の方で適切な温度に調整し水のレバーは、いじらないという方が多いと思います。(お湯しか使わないということ)
お湯100%で充分な水圧がある時は、これでも良いかもしれません。しかし、大抵の湯沸かし器では充分なお湯の量は難しいと思います。


絶対的にサーモ付きの方が使いやすいし、入居者に喜ばれるのになぜツーハンドルタイプのが多いのか・・・
答えは簡単です。
ツーハンドルタイプの方が安価で、その分利回り(収入)が増えるからです。

もっと現実的な話をすれば、浴室水詮のことなんてオーナー(貸主)は知らない可能性が強いです。
建築サイドや販売(営業)サイドの利益を多くするために、ツーハンドルタイプが多いのだと私は推測します。
なぜ、こう思うかというと、この二つのタイプの価格の違いってせいぜい1万円から、いくら多く見積もっても1.5万の差くらいしかありません。
オーナーサイドからみたら、この金額を入居率のためにケチるはずがないと思います。設備の違いでこの先ずっと、入居率に影響を与える訳ですから。
一方、販売サイドからすると、この二つのどちらかをつけるかによって、仮に1万円の利益が違ったとすると・・・
1万円×16世帯(4階建ての一般的な大きさのRCマンションの場合)=16万円違ってきます。販売サイドとしては、売ってしまえば、その後の家賃収入なんて知ったこちゃあないという訳です。ですから、16万円でもその利益を追求するわけです。(もしかすると、もっとボッっている可能性も)

マンションのオーナー又は買主で、設備の詳細までの見積を確認される方ってどれくらいいるのかわかりませんが、大抵は土地などを含めた「全体でいくら」というマクロな価格でしか見ないと思います。


もし賃貸物件を探されていて、「サーモ混合水詮」の物件があったら、そこは入居者のことをちゃんと考えているオーナーか、そのオーナーについている管理会社や仲介業者が良心的の可能性が高いかもしれません。
しかし、これを部屋探しの条件に加えることは難しいと思います。前述した通り限りなく少ないですから。

豪勢な外観の最新設備を備えた新築高層マンションでも、未だにツーハンドルタイプの物件を見るとがっかりします。
いや、高層マンションほど世帯数が多いので、ツーハンドルにするメリットが大きいですもんね。販売側にしてみると。