ポエム

「不思議な子」


あの子はあの廃墟に
まだ居るはずなんだ

赤いリボンに
紅い体中の傷

膝を抱いて座って
天井の穴から空を

見上げて待ってる

その空間に近寄ると
気色が奪われ黒白界
赤だけ異様痛々しい

迷いこんだと言うより
呼ばれた気配がしてる

その蒼い涙を早く
拭いてやりたいが

これ以上前に進めない

怖さよりもどかしさが
イライラが募るばかり

なぜ呼んだ?何の為?
案の定声が出やしない

霧が視界を遮り何かに
引っ張られ目が覚めた

夢と片付けるには
この涙と切なさは

余りにも酷すぎる

あの子はまだ居るはず
独りで待ってるはずだ

あの廃虚の隅で

涙のわけを知りたい
力になってやりたい

そう思ってもう数年
あの子は二度と俺を

呼んではくれないようだ



ペタしてね