タイトルを見たらましな
ことを書いていると。

社説:原発コスト 「安価神話」も崩壊した

「原発の発電コストは安い」。これまで
原発推進のひとつの根拠として繰り
返されてきた言葉である。
 東京電力福島第1原発の大事故を
経て、この「安価神話」が崩れた。
 事故後、原発コストの見直しを進めて
きた政府の「コスト等検証委員会」の
試算によると原発の発電コストは最低
でも1キロワット時当たり8.9円。
これまで電力会社や政府が提示して
きたコストの1.5倍となる。

従来、原発を推進する電気事業
連合会や経済産業省などは、
発電量1キロワット時あたりの
発電コストを原子力5・3円、
石炭5・7円、石油10・7円
(いずれも2004年時)と評価。

それが、今回の事故で東電の
補償などがコストとして計算する
必要が生ずるので、1.5倍にもなり、
火力発電のコストに安いながらも
近づく というんです。

となると、原発絶対視はでき
なくなりますね。

うんうん、毎日の社説も社会の
木鐸らしくなってきたかな?

ところで、この社説にからんで
この記事をごらんください。

原発コスト:「安全神話」前提で計算 立命館大・大島教授、講演で指摘 /群馬

立命館大教授で政府のエネルギー・
環境会議の発電コスト等検証委員の
大島堅一氏が14日、高崎経済大
(高崎市)で「原発のコスト~エネルギー
転換への視点」と題して講演した。
原発の問題提起を続けてきた
大島教授は、従来1キロワット時
当たり5~6円とされた原発コストに
事故費用などを上乗せして5割増しの
同8・9円と計算した同検証委員の一人。

この大島教授は学者ですね。

今回の検証では、あくまで政府、
東電など原発推進派の考えに
たっても事故費用を加えると
1.5倍になると計算しました。

この大島先生は反原発派と
いわれるかた。

実は昨年にはすごい研究を
発表しているんです。

どういうことかと言うと、現在は
東電などの電力会社のコストは
法律などでどのような項目が
コストとなるかが決まっている
ようなんです。

で、大島先生はその内容が
おかしいと、コストと考える
べきものがもっとたくさん
あるし、計算自体おかしいと。

どんなものがあるかというと。

1)政府の原子力発電への財政支出
 発電所が作られた自治体には
 交付金が出ますし、原子力に
 かかわるいろんな研究開発費
 があります

 2)バックエンド費用
  使用済み核燃料の再処理や
  埋め立てなどの処分の費用です。
  04年の15年の原子力委員会の
  正式発表では40兆円以上なんです。
 核燃料再処理総事業費は42兆円超
 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2004/1022/nto1022_13.asp
 (東奥日報 2004年10月22日(金))

 3)原発稼働率
  コスト計算では総発電量が
  多ければ1Kw時の値は当然
  小さくなります。その数字に
  直接かかわる稼働率を80%と
  しているんです。
  原発は定期保守しなければ
  なりませんし、どんなによくても
  60%です。

 4)揚水発電所設備費用
  夜間の原発余剰電力を利用する
  ために建設されてきた揚水発電
  ダムの費用です。実はここにも
  利権が。

 で、以上を計算すると・・・
 1)-3)だけで、5.3円がなんと
 倍の10.68円。
 4)を加えると12,23円に
 なるんです。
 
 恐ろしいことに、1)については
 どんどん膨らんでいるんです
 03年の発表では18.8兆円だったんです。
 業界 18兆8000億円と試算
 http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/nuclearpower/japan/040530_02.html

 すでに74兆円ではという試算も
 あるそうなんですから。

 「コスト」という言葉がまやかし
 なんです。

 東電が民間企業?であることから
 東電に直接かかわる費用だけが
 計算されていたんですね。

 でも、実態は電力、原子力は独占
 企業であり、国策にかかわるもの、
 国民にとっては、大島先生の
 研究で指摘されるようなことまでも
 考慮して原発コストを計算すべき
 です。

 原発事故が起きていないときで
 さえ、12.23円。事故費用加えたら
 1kw時あたり15円を超えてしまい
 ます。

 一番コストが高いのが原発です。

 ところで大島先生の研究は
 CO2排出量についても
 行われているんです。

 CO2排出量については、原発
 推進派は発電量1キロワット時
 あたり原子力22~25グラム、
 風力29グラム、太陽光53グラムと
 主張してきました。

 原子力発電においてウラン燃料を
 作成する、また廃棄する際の
 CO2排出量を入れていません。
 さらに、計算方法も世界の研究例と
 かけ離れたもののよう。

 で、大島先生の研究発表では
 発電量1キロワット時 あたり
 原子力発電が66グラム、
 太陽光発電は同29~35グラム。

 なんと原子力は一番クリーン
 どころか、太陽光の2倍ですよ。

 こんなことは新聞社などメディアは
 とっくに承知しているんです。

 うえの社説が及び腰である
 ことがおわかりですね。( ̄へ  ̄ 凸