2週続けて大雪となった宮古市 仮設住宅の様子と、記者が感じる問題点 | 三陸情報局ブログ

三陸情報局ブログ

被災地の復興に関する情報、まちづくり、芸術文化、子育てなどの地域の発展に資する情報を取り扱い、情報の過疎化を防ぎ、地域情報のより広範囲かつ平等発信を目指し、結果地域の復興、発展に寄与することを目的とする団体です。

http://sanrikujoho.jimdo.com/


15日(土)から16日(日)にかけて発達した低気圧の影響で、大雪となった宮古地域。三陸沖から吹きつける大雪となったため、先週降った大雪よりもさらに湿気を含んだ ドカ雪 となったため、わだちに取られながら走行する車が多く見受けられます。

晴れ間の見えた昨日16日から雪かきに追われる住民の姿も多く見受けられ、2週続けての雪かきに疲労こんぱいの住民も多くおられるのではないでしょうか。

週初めとなった本日月曜日、宮古市中里にある仮設住宅を訪れてみました。中里地区は、宮古市内の中でも古くからある団地で、高齢化が進む団地でもあります。高台にある団地ということもあり、街中に比べ一段と雪の量がありました。また、湿気を含んだ雪のため道路に盛り上がった雪は徐々に凍りはじめ、走行している車の下を擦ってしまうくらいです。また、すれ違う車に道を譲るため路肩に車を止めるのも一苦労です。



中里仮設住宅に訪れてみると、各家の窓まで積まれた雪が目につきます。住民の方からお話を聞くと、「先週降った雪がまだ溶けぬ中での今回の大雪で、仮設に暮らしてこんなに雪が積もったのは初めて。捨てるところがなくてとても苦労している」と嘆いていました。
また、仮設住宅に暮らす多くは高齢者。今回の大雪によって生活の足となっている、バスやタクシーにも遅れや、来ることが困難となり、大変苦労した住民も多くいるといいます。



2週続けての大雪に見舞われた宮古地域。高齢化が進むなかで、改めて浮き彫りとなったのが、『除雪を行うマンパワー不足』なのではないでしょうか。除雪作業を行う業者はもちろん、自宅など生活道路の雪かきを行う住民の多くが高齢者となっていることもあり、体力はもちろん、精神的にも陥っている住民もいると聞きます。

また、この大雪によって近所とのトラブルにもなるケースもあるといいます。ストレスが溜まり、近隣トラブルになるきっかけをも起こしてしまう大雪。大雪の中でも、必要最低限の生活ができることに感謝しながら、隣近所との協力のもと普段の生活に戻していくが大切だと思います。



そして、大雪問題を通して一番懸念していることが、「他人任せ」の意識が感じられることです。
震災復興の意識変化とかぶってしまうのは、私だけでしょうか。
震災によって、『地元を良くしたい』『地元の為になにかしたい』と復興という目標に皆向いていたときから、月日が経つにつれて、「誰かがやってくれるだろう」と住民意識に変化が見受けられるようになり、意思がバラバラになっているように感じます。
今回の大雪に対しても、「誰かがやってくれるから」「自分のところだけ雪かきをすればいい」と、意識が少ながらず感じてしまいます。
来月で震災から3年となります。一度、震災当時に感じていた「地元のために」という想いを改めて思い起こすことが必要な時期なのかもしれません。

--------------------------------------------------------------------------------------

BY 三陸情報局 太長根