katsukoノブログ 140327

【超重要】ICRPが言う1mSvは年間許容量でなく生涯許容量だった

 以下に転載させたいただくニュースは岩手の岩見億丈医師が書かれたものだそうです。

 ICRPに不信があったので、岩見さんのニュースを最初に読んだとき、

ICRPがそんなに厳しい(99%側に有利な)ことをほんとうに言っているのかしらと、実を言うと疑問におもいました。でも岩見さんの以下の文章をおしえてくださった「三陸の海を放射能から守る岩手の会」[充実したHPあり!]さんから、

岩見さんが依拠していらっしゃしゃるICRPの文書(pdf)の該当箇所を見せていただき、納得しました。

 食品の100(or50)Bq・/kgという基準は年1mSvを係数(それもいい加減なものだとおもう)を使って換算して出した数字だそうですが、

こんな基準でも、基準だとおもっている人にとっては基準なので、

きちんとせめて15%に(下記アメリカの基準)下げるべきでしょう。

 

 でもそれではまだまだ足りない!

 というのは、岩見さんのニュースに書かれているように、

ICRPは誰かに下記医療のための実験台になってもらう場合ー

つまり一生に一度の被ばくであっても

できれば0. 1mSv以下に、と言っている。

 

 とすると:

 平均寿命を、少なく、切りのいい数字で50年と考えたら、

1年間に浴びて、まあ多分だいじょうぶかなという数字は

1mSv/生涯÷50 =0.02 mSv/年   ①、

もっと安全に、ということで 0.1という数字を採用すると

0.1mSv/生涯÷50 なら 0.002 mSv/年  ②

ということになります。


これを食品の基準にあてはめると

①だと食品の基準を100Bq/kgから2Bq/kg まで厳格化すべきだし。

②だと、さらに 0.2Bq/kg にまで厳格化しなければならないことになります!!


  ここから転載↓


 岩見医院ニュース  平成2635

 放射線防護の基本原則を勉強しましょう


 宮古市のホームページを35日見ると、放射能関連のところに、空間放射線量の測定結果から安全が確認されていると書いています。その根拠は放射線被ばくが年間1mSv未満であるというものです。国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告に何が書かれているのか見てみましょう。委員会の放射線防護の基本原則は3つあります。(1)正当化の原則:放射線被ばくの状況を変化させるいかなる決定も、害より便益を大きくするべきである。(2)防護の最適化の原則:被ばくする可能性、被ばくする人の人数、及びその人たちの個人的線量の大きさは、すべて、経済的及び社会的な要因を考慮して、合理的に達成できる限り低く保たれるべきである。(3)線量限度の適用の原則:規制された線源からのいかなる個人への総線量は、委員会が勧告する適切な限度を超えるべきでない。

 宮古市および宮古市議会は、放射能汚染牧草等を焼却炉で燃やしても、空間線量率の上昇が0.23μSv/h未満であるので問題がないと言っているようですが、これは正当化の原則と防護の最適化の原則に反します。焼却炉の風下の磯鶏保育所や宮古市役所での線量率上昇は害より便益を多くしているのでしょうか。汚染牧草等を焼却せずに地中に埋めて管理する方法よりも、焼却のほうが害が少なく便益が多い根拠を行政や議会は示す義務があります。

 ICRPの原則2をよく読むと、被ばくの線量限度は医学的な点から決まったものではなく、健康や安全を保証するものではないことがわかります。これは、原発などによる経済社会的な便益があるので、線量限度を少し高くするということです。勧告の中にも「利害関係者」が限度の意志決定に参加することもあると書かれています。つまり、ICRPが勧告する個人の1年間の線量限度1mSvは、原発等を合理的に動かすために決められた「がまん値」であり、純粋に医学的見地から決めた安全値ではありません。では、ICRPはど

れくらいなら医学的にほぼ安全と考えたのでしょうか。医学研究のために実験台になる人への被ばくは、社会への便益が中間ならば1mSv未満、便益が少ない場合には0.1mSv未満とすることをICRPは勧告しています。何もよいことがないなら0.1mSv未満とすること、これが医学的安全性に近い指標だと思われます。アメリカの

環境保護局は2001年、放射性廃棄物の処理に伴う一般住民の被ばく限度を1万年の間、年0.15mSvとする規則を決めました。この数値は放射線以外の有害物質を規制する際に用いている係数と同様の方針から出されたもので、放射線を特別扱いしていません。宮古市の汚染牧草等は放射性廃棄物ですから、この基準を当てはめると空間線量率が0.07μSv/hまでとなり、焼却炉風下の地域では違反になります。

 もうひとつの問題は、仮に年1mSvを守れば社会全体にとっては経済社会的に害より便益が多いとしても、利益を得る人々と損害を受ける人々が異なることです。原発は立地地域に害をもたらす可能性が高いため、お金を多量にその地域に回さなければ建設できない代物でした。今、宮古の焼却炉で燃やされている放射能汚染物による損害を一番被るのは、風下の小さい子供たちです。その子供たちが大人になる頃には、今以上に放射能研究が進み線量限度は厳しく下げられているでしょう。宮古市や宮古市議会は、宮古市全体の未来の健康管理に責任を持つ立場にあり、汚染牧草等の焼却を中止する権限を持っていますが、あちこちに責任のなすりつけをし続けていることに、医師として深い悲しみを感じます。