今年1年を振り返って見たいと思います。どんな一年でしたか?

 やはり安倍政権の誕生は大きいですね。衆議院選挙だと維新の会も票をとれていたけど、参院選になってしまうと自民党一本になって野党が非常に弱くなってしまいました。

原発輸出、生活保護法の改悪、TPP交渉、そして最後はアメリカとともに戦争をやれる体制づくりですね。まさに暴走です。それに反発して国民の運動が転化して、大きな運動になったのが秘密保護法ですね。

安倍政権は反動的諸政策を強引に進めて、最後には秘密保護法案を強行採決させた訳だけど、結果的に支持率は大幅に低下したと。徐々に安倍政権の本質や危険性が国民の中に広まってきたのが、特定秘密保護法を巡る運動だったと思います。

 世論調査では、秘密保護法について、慎重に審議してほしいという人を含めると8割が反対。民意の多数を無視して政治を進めていたわけです。今までの自民党政治は国民の多数には従うバランスがあったと思うんですよ。そこがぶっ壊れてしまっているんです。

 ちょっと1月を振り返って見てください。1月にはアルジェリア人質事件発生。これに関して日本政府が米英政府から十分な情報を得られなかったとして、秘密保護法が必要という議論がされ始めたんですが、話がおかしいです。日本はもともと疎外されていた。

日本の特定秘密保護法は9条で、秘密を特定の外国に提供するとなっている。これアメリカじゃないですか。これは特定秘密保護法というよりは、特定秘密献上法ですよね、はっきり言って。

 報道のされ方もおかしかったんですよね。外交官なら分かるんですが、これ民間会社の社員ですよ。取り扱いに政府が前面に乗り出して、遺体の搬送や迎えをやったのは、やや異常な気がします。秘密保護法に繋げるための演出だったようにも見えます。

 2月、ヘイトスピーチによる排外デモが過激化。1月から激化していた排外デモですが、17日には『韓国人を竹島から叩きだせデモ』があって、その後カウンターデモが出てきたりもしました。実はカウンターデモをやる方が在特会よりも多いんですよ。

 市民の側からこういう反対者が出ているというのは、非常に健全ですよね。在日の方が商売をやられているとこをデモのコースとして認めるのもいかがなものですよね。表現の自由なら銀座でも有りなんだけど、新大久保を認めることはおかしいと思うんです。

2月22日、安倍総理がやっとオバマ大統領と会談。1月にやるはずだったのがようやく実現したんですが、食事会もさせてもらえず。最後にJapan is Backと言ったんですね。アメリカのために戻ってきたんだと。

 韓国への対応は違うんですよね。これを日本のメディアは報じなきゃいけないんだけど、カモフラージュしているのか、何も報じられていないですね。

 中国もですね。ノーネクタイで米中の親近感を示して、小泉政権のときのようでした。

で、315日ですよ。安倍総理がTPP参加を正式に表明。

 秘密保護法じゃないですけど、交渉内容が全て秘密になっているんですね。都民の暮らしを考えていく上で、東京都としてTPPに反対していくという方向を打ち出さなければならない。

 米国ではTPPに反対する審議をする州があるんですよね。

宇 米国では外交交渉する権限を議会が決めているんですよね。アメリカが妥結に持っていこうとする中で日本だけが進もうとしている。最近アジア諸国でも問題視され始めているんですね。

 韓米FTAの交渉のときには法務省が立ち上がって反対しているんですよね。日本の法務省や最高裁は立ち上がるべきなんですよね。自分たちの主権が崩されようとしているのに、何もしなかったんですね。.


 412日、TPP交渉に入るための日米事前協議が決着。保健[ママ]、自動車、牛肉、この3つへの高い入場料を払うことを決めてしまった。そして30日、『主権回復の日』記念式典と抗議がありました。

 ここに天皇皇后両陛下を参加させたことは問題。

 山本太郎さんが手紙を手渡して批判されましたが、政府は式典に天皇皇后を参加させました。天皇皇后両陛下が退席されるときに出席者の一人が立ち上がって天皇陛下万歳と言うと参加者全員の大合唱が起こったという異様な雰囲気だったとのことですが。

ブエノスアイレスでのオリンピック招致のときも皇族を使っています。こういう天皇の政治利用を事実上やっている。自民党の改憲草案も天皇の主権化をやる意図を含んだ草案だと思うんです。その前倒しでこのような式典をやっているような印象です。

 主権を放棄した後に『主権回復の日』を強調するということは、自分たちが属国になりながら、国内ではマッチョに見せなきゃいけないという偽装ナショナリズム、インチキナショナリズムでは。

 沖縄では屈辱の日って言っていますね。

 5月、42年ぶりに国内の原発稼働数がゼロに。それから13日、橋下大阪市長が『慰安婦は必要だった』と発言しました。

 この発言の裏に兵庫県の伊丹市長選と宝塚市長選に維新の会が出たんだけど、どちらもボロ負けしているんですよ。

 兵庫県は隣の県でもあってかなり影響力があると。このままだと参院選で戦えない。それでマスコミの注目を集めようとしてこの発言に至ったんじゃないかと。勘違いの発言だったんでかえって墓穴を掘って支持率が更に低下、参院選で惨敗でした。

 514日自民党の大西英男議員のインタビュー。彼は孫崎享さんを番組に起用するなとNHKに圧力をかけているのですが、なぜそんなことをするのかと聞くと、自分の発言には言論の自由があると言うんですね。

 そして25日反モンサント世界同時多発デモ。これもTPPに大きく関わりますが、日本を含む世界52カ国で行なわれて200万人参加しました。

 要するに放射能とよく似ているんですよね。危険であることの証明と安全の確認性ができていない。

 6月、日本が原発を輸出するトルコでは反政権デモ激化。そして世界のニュースでもトップ、かつ今年のマンオブザイヤーと言ったらこの人、5日のスノーデン事件。エドワード・スノーデン氏のリークでNSAが全世界の個人情報を集めていることが暴露された。

 メールのトラックだけでなく中身も見られ、暗号かけているものも読まれていたと。

 グローバルな監視社会が我々の頭を覆いつつあるようですね。

 独メルケル首相の携帯電話を盗聴していたというのもね。日本のことは報道されていません。

 警察庁、法務省、内閣府、外務省、関わりありそうな所に片っ端から言いましたけど、どこも『はあ?何で抗議する?』とみんな答えるんですよ。

 ブラジルなんかボーイングの飛行機買うのを辞めてスウェーデン製に変えたんですよ。

 さて75日、東電の廣瀬直己社長と泉田知事の会見。

 泉田さんには頑張って欲しいですね。あとは伊方原発。中央構造線の際に建っています。すぐ近くに活断層があることが分かってね。非常に危険です。

 そして、21日の参院選。与党の自民・公明が参院の過半数を大幅に上回る議席を獲得し、圧勝しました。そして驚くのが全国の34.8%の投票所で投票終了時刻の繰上げや開始時刻の繰り下げが行なわれたんですよね。投票率も非常に低かった。