「被団協」新聞11月  から転載:(執筆者は沢田昭二名古屋大学名誉教授)

http://www.ne.jp/asahi/hidankyo/nihon/rn_page/menu_page/top_menu_page/

sinbun/kaku.htm

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見直さざるを得ない内部被ばく(2003.11月)  チェルノブイリ原発事故などの調査・研究に基づく「欧州放射線リスク委員会2003年勧告(03年勧告)」は、これまで世界的に利用されてきた国際放射線防護委員会(ICRP)の基準では、低線量被ばくの影響を大きく見誤ると指摘しています。核実験や原発事故で放出された放射線によるがんの増加で1945年から89年までに死亡した人数を、ICRPの基準で計算すると、117万3600人ですが、「03年勧告」では50倍以上の6160万人になります。
 ICRPの基準は、広島・長崎の被爆者を調査してきた放射線影響研究所(放影研)のデータに基づいています。この放影研は、原爆の爆発後1分以内の初期放射線による体外からの被ばくの影響だけを調べ、放射性降下物など残留放射性物質を体内に取り込んだ内部被ばくを無視しています。「03年勧告」は、放射性微粒子吸収による内部被ばくの重要性を強調しており、この内部被ばくの問題は、遠距離被爆者や入市被爆者の放射線障害や劣化ウラン弾の問題に直結しています。