今日地域で平和のための活動をしているJさんの奥様のお葬式に。

 仏教(浄土宗)形式ではあったものの、抽象的な表現ながら個人の生き方への讃辞が入れ込んであるお経でした。Jさんの喪主としての挨拶で、故人のおいたちやなれそめが語られ、拍手を送りたいような内容でした。それも変かとおもいしませんでしたが。

 故人のお父さんは一人息子を結核で亡くされ、故人を一層大切におもっていたのが、故人ーー二十二歳のときにーーも結核ということがわかり、そのショックで心臓発作を起こして亡くなってしまったというのです。故人はお母さんも幼いとき亡くしており、その若さ、その病気で家族をなくしてしまったわけです。

 それをこのうえない不幸とみて、ある宗教団体が勧誘にきたのだけれども、彼女はいえ、私が一人でこうして生きていられることが幸福なのですと言ってその人たちを退散させた。その心意気にJさんは感じ入って、プロポーズしたらしい。

 奥様は50代初めでうつ病になられ、仕事も家事もできなくなり、以来Jさんはずっと介護と家事とを続けてこられたのです。

  Jさんの底抜けの明るさと、故人が東京大空襲を経験していることもあってとりわけ平和への思いが強くて活動的なことを愛している人が多く、Jさんと故人の間にはお子さんがないし、近い親類も少ないながら、参集した人が多く、Jさんがそのことにも謝意を述べられ、Jさんの人柄どおりのほのぼのとした式になりました。