この本での「起業」は、個人事業主としての独立開業のことでした。
恥ずかしながら、キャッチフレーズを「ゴー!パブリック」としている自分は、個人事業主ではなく会社設立を目論んでいるわけですが、最初は個人でやらざるを得んだろうと思っています。
そういう意味では、いろいろ勉強になる部分が多い一冊でした。

ビジネスモデルだの集客だのマーケティングだのといったことについては、ほとんど何も書いてありません。そんな話は、他の本を読めばお経のように同じようなことがダラダラと書いてあります。
この本では、個人事業主として開業するにあたっての細々とした面倒事や、些細な資金繰り、節税対策などが体験談として書かれており、それがメインの話題となっています。
それらの話は、おそらく他の起業本では触れられないような枝葉の話なわけですが、実は起業をする際に確実に直面する「聞くに聞けないこと」の類と思います。
そういう意味では、めずらしく実利的で、肩の力の抜けた良い本だと思います。

僕は個人事業主をゴールに置いているわけではないので、あくまで最初の一歩の際に参考にさせてもらいたいと思います。

(些細だけど役に立つ度:★★★★☆)

鏡味 義房
一人起業完全マニュアル