TPPは日本の中間層の未来がかかった問題 | 産経新聞を応援する会

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FROM 柴山桂太@滋賀大学准教授

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TPPは日本の製造業にプラスになる、という声があとを絶ちません。農業は大変かもしれないが、製造業の輸出が増えるならいいじゃないか、という人も大勢います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし言うまでもないことですが、TPPはそんなに単純な問題ではありません。アメリカの対日要求は当然、製造業分野にも及んできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の交渉参加をにらんで日米の折衝が始まっていますが、軽自動車の優遇税制を見直せとか、安全基準を緩和しろとか、国内の閉鎖的(!)なディーラー制度を改革しろとか、いろいろ無茶な要求されているようですが、こんなのは序の口でしょう。アメリカは製造業分野で輸出を増やしたいわけですから、日本市場をこじ開けるのに必死になってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逆に日本がアメリカに要望を出したという話は聞きませんね。TPPは、アメリカ議会のゴーサインがないと交渉に参加できません。日本は「入れてもらう」立場なので、ひたすらアメリカの居丈高な要求を聞かされている。ペリーに「親書」を押しつけられた江戸幕府みたいな状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからTPPは投資協定でもある、ということにもっと注意を向けるべきでしょう。投資が自由化すると何が起こるのでしょうか。間違いなく、日本の産業空洞化は進むと思います。投資が自由化されると、生産の現地化が進むでしょう。あるいは迂回生産で人件費の安いベトナムやマレーシアに工場を移す企業も増えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、これはTPPに入らなくても起きている現象です。自動車でも部品関連は海外シフトが進んでいると報道されています。この傾向は、少しくらい円安になっても止まりません。このままだと、日本の製造業の裾野は狭くなり、製造業の雇用や手仕事的な技術の蓄積は失われていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカは製造業のリショアリング(国内回帰)促進とセットでTPPを推進しているようです。日本はどうなのでしょう。TPPを、企業のオフショアリング(海外進出)のチャンスと考えている企業が多いんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん、海外進出する企業があってもいいでしょう。しかし、これは一企業の問題ではなく、日本国民全体の問題です。アメリカは一九七〇年代から産業空洞化が進んで、中間層が崩壊しました。日本もゆっくりですが空洞化が進んでいて、やはり中間層が崩壊し始めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまりTPPは農業だけの問題でもないし、医療や保険だけの問題でもありません。日本の中間層の未来がかかった問題なのです。