毎度ご来店くださいましてまことにありがとうございます。


H2Oリテイリング株式会社の第95期定時株主総会が、24日(火)に大阪市内で開催されます。資料の事業報告書に各店の売上が発表されていましたので、メモとして記録しておきます。


1929(昭和四)年4月15日に世界初のターミナルデパートとして開業した阪急百貨店。


阪急百貨店梅田本店 2005.07.16

阪急百貨店大阪うめだ本店 2001.07.12

1933(昭和八)年に開業した阪神マートを前身として、1957年(昭和三二)年6月1日に開業した阪神百貨店。

阪神百貨店梅田本店 2001.07.11
阪神百貨店梅田本店 1997.00.00

大阪を代表する繁華街キタに立地する阪急・阪神の両百貨店は、電鉄系と呼ばれるターミナルデパートです。前者は婦人衣料品や身の回り品になどのファッションに強い高級百貨店として、関西一番店の地位を築いてきました。後者は「日本一のデパ地下」とも呼ばれる食料品に強い庶民派百貨店として、梅田地域の二番店としての地位を守ってきました。まったく異なるカラーの両店は長年渡って、目と鼻の先で激しくしのぎを削ってきました。そんなライバル同士が合併したのは、2007(平成一九)年10月1日。

その発端はM&Aコンサルティング(通称:村上ファンド)による阪神電気鉄道株などの買い占めです。対抗策として実施された阪急ホールディングスによる阪神電鉄株の公開買い付けを経て、2006(平成一八)年10月1日に阪急HDと阪神電気鉄道が合併し、阪急阪神ホールディングスが発足。しかし両百貨店は名称に電鉄の名を冠してはいるものの、阪急は電鉄(阪急HD)と百貨店の資本関係が薄い兄弟会社で、阪神は百貨店が電鉄の完全子会社であったため、阪急阪神HD傘下に加わらず、別途統合することになりました。


上でも述べたように、長年ライバルで至近距離で激しい競争を繰り広げてきた両社、というより阪急側には、統合による同質化による店舗魅力の喪失への心配や、事実上吸収されることになる阪神側の反発回避やモラル維持など多くの課題を懸念する声がありました。しかし2006年10月、両社による業務連携委員会を発足、翌07年3月には第三者機関による資産などの適正調査手続きを終え、同月26日に統合することで基本合意を発表。


同年10月1日、初代株式会社阪急百貨店が株式交換により3代目株式会社阪神百貨店の全株式を取得。同日付で初代株式会社阪急百貨店の百貨店事業を新設分割して2代目株式会社阪急百貨店を設立。初代株式会社阪急百貨店が持ち株会社に移行し商号変更を実施、エイチ・ツー・オー リテイリング 株式会社が発足して経営統合。2代目阪急百貨店と3代目阪神百貨店が事業会社として傘下に入りました。



H2Oリテイリンググループを象徴する中核店舗の阪急、阪神両本店が位置する大阪・梅田エリアは、近年の大型商業施設の新規開業や増床に伴い競合環境はますます激しくなっています。


しかし一方でオフィスビルやホテルに加えて、近年タワーマンションの建設も活発化し、都心回帰が鮮明になることで、就業人口や居住人口も増加し、関西エリアにおける圧倒的なマーケット規模になってきています。そのなかで、阪急うめだ本店はエンターテインメント性あふれる劇場型百貨店となることで、一人あたりの滞在時間も大幅に伸び、より一層ゆったりと買い物が楽しめるようになっています。その結果、たてんにはない魅力ある店舗として認知され、売上高を伸ばしました。関西ドミナントエリアの顧客だけでなく、広くは中・四国エリアなどの国内の広域からの集客にも繋がっています。また、アジアを中心としたインバウンドのお客さまにも様々な情報発信を行うことで、多数の来店があり、それらの取り組みが売上高向上に確実に寄与していると分析しています。


この結果、平成24年11月に建て替えを終えグランドオープンした阪急うめだ本店が、関西ドミナントエリアを中心に圧倒的な品揃えと広域への情報発信強化による集客力アップで順調に売り上げを伸ばし、支店においても、博多阪急や阪急メンズ東京、西宮阪急など13店舗中7店舗が前年実績を上回っています。消費税増税前の需要もあり、百貨店事業の売上高は、427,266百万円、前期比111.5%となっています。


阪急うめだ本店 2012.10.25


阪急うめだ本店の売上高は平成24年11月のグランドオープン以降、17ヵ月連続で前年実績を上回るなど好調に推移し、阪急メンズ大阪を含めた阪急本店全体の売上高は、192,214百万円、前期比132.8%になっています。


阪急百貨店うめだ本店 2012.10.25

阪急うめだ本店・2期棟先行オープン 2012.10.25


一方、阪神梅田本店においては、梅田エリアの他の大型商業施設との競合や阪急うめだ本店のグランドオープンの影響等により、売上高は、82,413百万円、前期比92.4%になりましたが、両本店を合わせた梅田事業全体の売上高は274,628百万円、前期比117.4%になっています。


阪神百貨店梅田本店 2012.11.22 阪神百貨店梅田本店 2005.08.27

支店においては、博多阪急が平成24年8月より20ヶ月連続、阪急メンズ東京と阪急百貨店 大井食品館が平成25年5月より11ヶ月連続で前年実績を上回るなど、九州・関東エリアのそれぞれのマーケット動向を踏まえた店舗ごとの商品施策が奏功し、順調に売上高を伸ばした結果、支店合計の売上高は、152,209百万円、前期比102.9%となっています。


以上の結果、百貨店事業の売上高は、427,266百万円、前期比111.5%、営業利益は、13,246百万円、前期比168.9%となっています。


エイチ・ツー・オー リテイリング 株式会社

百貨店事業業績(金額/前期比)

売上高 427,266百万円 111.5%

営業利益 13,246百万円 168.9%


各店業績(店名/売上高/前期比)

阪急本店 192,214百万円 132.8% ※阪急メンズ大阪の売上含む
阪急うめだ本店 2012.10.25


阪急メンズ大阪
HEP NAVIO・阪急メンズ大阪 2012.10.25


千里阪急 17,390百万円 101.2%
千里阪急 2005.04.23


堺 北花田阪急 10,123百万円 98.4%

堺 北花田阪急 2005.11.17


川西阪急 17,549百万円 99.1%

川西阪急 2005.04.23


宝塚阪急 8,690百万円 97.8%

宝塚阪急 2005.04.23


西宮阪急 25,116百万円 103.9%

西宮阪急2010.09.09


三田阪急 1,392百万円 99.8%

三田阪急 2010.03.12


博多阪急 40,464百万円 108.0%
博多阪急(Wikipedia)


阪急メンズ東京 12,646百万円 110.3%
有楽町阪急 2006.10.15


都筑阪急 5,231百万円 87.4%

都筑阪急 2005.05.19


阪急百貨店 大井食品館 4,683百万円 102.8%

大井阪急 2008.02.23


阪神梅田本店 82,413百万円 92.4%

阪神百貨店梅田本店  2013.06.28

あまがさき阪神 3,818百万円 100.8%

NO IMAGE


阪神・にしのみや 4,539百万円 100.7%

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阪神・御影 563百万円 98.3%
阪神・御影(Wikipedia)


注1.阪急本店には、阪急うめだ本店の他、阪急メンズ大阪の売上が含まれています。なお、前期比の算出にあたり、前年実績には平成24年11月18日に閉館した阪急百貨店イングス館の売上高が含まれています。また、建て替え工事中であった阪急うめだ本店は、平成24年10月25日に二期棟部分を先行オープン、平成24年11月21日にグランドオープンしました。

注2.都筑阪急は、モザイクモール港北のリニューアルに伴い、平成24年10月3日から5フロア(地下1階~4階)を2フロア(地下1階~1階)の展開に縮小しました。

注3.宝塚阪急は、平成26年3月4日をもって1階部分の営業を終了しました。


※なお阪急メンズ東京ならびに大井阪急食品館は、業態転換および建て替え前の外観画像を使用しています。




本日はご来店くださいましてまことにありがとうございました。


またのお越しを心よりお待ち申し上げております。