毎度ご来店くださいましてまことにありがとうございます。


日本の百貨店建築の最高峰といえる大丸心斎橋店本館は、第1期1922(大正一一)年4月、第2期1925(大正一四)年9月完成の心斎橋筋側、第3期1932(昭和七)年7月、第4期1933年(昭和八)年5月8日完成の御堂筋側の4期に分けた建設によって完成したアメリカンゴシック建築です。設計者はアメリカ人建築家、ウイリアム・メレル・ヴォーリズです。


華麗な孔雀のテラコッタが迎える心斎橋筋正面玄関や壮麗なアールデコ装飾などが迎える御堂筋正面玄関に注目が集まる同店舗ですが、その他の玄関にもヴォーリズ建築らしい装飾をみることができます。


御堂筋大丸前交差点を東西に走る大宝寺通(だいほうじどおり)に面した御堂筋北玄関。


大丸大阪心斎橋店 2013.06.28


玄関口自体は階高が低いため、やや圧迫感を感じます。


内部は、昨日紹介したように風除室兼、北エレベーターホールです。


大丸大阪心斎橋店 2012.05.09


左手は中二階となっており「カフェ ラ ガレリア」が入居しています。


大丸大阪心斎橋店 2012.05.09


庇上部の縦型ルーバーの部分が中二階に相当するものと思われます。


大丸大阪心斎橋店 2012.05.09


玄関左右に見られる、植物をモチーフにした彫刻。


大丸大阪心斎橋店 2012.05.09

大丸大阪心斎橋店 2012.05.09


下部に見える謎の穴はランプかなにかの跡でしょうか?


見上げると茶色のスクラッチタイルと白い花崗岩に刻まれた幾何学模様の装飾。


大丸大阪心斎橋店 2012.05.09

大丸大阪心斎橋店 2012.05.09


同じ並びの装飾ですが、それを囲むスクラッチタイルの貼り方が変化に富んでおり、上下の対比がおもしろいですね。


夜は美しくライトアップされています。


大丸大阪心斎橋店 2006.01.28


ただし大宝寺通の歩道は狭く、違法駐輪や人や車の通行量が多いため、立ち止まっての鑑賞には注意が必要です(※なおこの写真の御堂筋側ファサードライトアップは、現在のものと異なります)。


◇データー(2011年度)

大丸 大阪心斎橋店

大阪市中央区心斎橋筋1-7-1

TE06-6271-1231

営業時間=10時~20時(本館地2F~4F・北館地2F~6Fは10時~20時30分、本館8F・屋上・北館13Fレストランフロアは11時~22時、南館地1Fは10時~21時)

売場=本館B2~8F・RF、北館B2~14F・RF、南館B1~8F・RF

売場面積=77,490平方メートル

年商=893.44億円

16/221(11年度百貨店店舗別売上ランキング)

※参考資料(1999年度)

売場面積=37,490平方メートル

年商=967.02億円

18/1000(99年度大型店舗ランキング)


参考文献

『大丸二百五拾年史』 大丸二百五十年史編集委員会 編 株式会社大丸 発行

『ヴォーリズの建築』 山形政昭 著 創元社 発行

『モダン心斎橋コレクション メトロポリスの時代と記憶』 橋詰節也 著 国書刊行会 発行

『ヴォーリズ建築の100年』 山形政昭 監修 創元社 発行

特別展『煉瓦のまち タイルのまち―近代建築と都市の風景―』図録 大阪歴史博物館 編集・発行

『日経MJトレンド情報源2013』 日経MJ(流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

『流通経済の手引き2001』日経流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

「月刊ストアーズレポート 2012年6月号」 ストアーズ社 発行

「月刊ストアーズレポート 2000年5月号」 ストアーズ社 発行




本日はご来店くださいましてまことにありがとうございました。


またのお越しを心よりお待ち申し上げております。