第2言語が認知症を防ぐ | 産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

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 気になる興味深いトピックを見つけました。

 米国神経学会(AAN)は、第2言語を話すと認知症の発症が遅れることを示した研究を紹介した。11月6日配信のNeurology誌オンライン版に掲載。

 インドで行われたこの研究は、認知症の診断を受けた被験者648人(平均年齢66歳)を調査。被験者のうち391人は2つ以上の言語を話した。アルツハイマー病型認知症は240人、血管性認知症は189人、前頭側頭型認知症は116人、残りの被験者はレビー小体型認知症および混合型認知症だった。非識字率は14%。2言語話者は単言語話者と比べ、アルツハイマー型、前頭側頭型および血管性認知症の発症が4.5年遅かった。このような差は、非識字者の間でも認められた。3言語以上を話す者については、2言語話者に比べ特に利益が増すことはなかった。認知症発症年齢に対する第2言語の影響は、他の因子(教育、性別、職業、居住地)とは独立していた。

 この研究は、言語と認知症に関して現在まで行われたものの中では最大規模。また、非識字の2言語話者にも優位性を認めた初の研究となる。研究を行ったSuvarna Alladi氏は「民族や文化、言語使用パターンについて行われた今までの研究とはまったく全く異なる母集団で、2言語併用が認知症を防ぐという強力なエビデンスが得られた」と述べている。


 以下のリンクで原文を見ることができます。
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/1219

 以下は私のコメントです。

 第2言語といえば、日本人であれば英語でもいいんですね。もちろんスペイン語や中国語でもいいのでしょうが・・・。私自身は短時間ではありますが日々英語のリスニング・リーディングのトレーニングをしていますので多少は効果があるのでしょうか?

 しかし、第2言語が認知症の予防に効果があるということは、つまり第2言語を使うことが効果的ということは、第2言語では母国言語とは違った脳の使い方をしているということでもあり、第2言語の習得という立場からすれば決していいことではないという事実に他なりません。これは第3言語までを使っても第2言語までと効果が変わらないという点とも矛盾しません。やはり小さな子供のうちから第2言語や第3言語に取り組んでおくことがその習得にとって良いことは確かなのでしょう。

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