テスタロッサのタイミングベルト交換④ | STAFF BLOG -サンアイ自動車スタッフが送るブログです。-

テスタロッサのタイミングベルト交換④



やっと新品のタイミングベルトを取り付け、テンショナーを正規のテンションで張ります。そして再度バルタイを計測します。



クランク軸に分度器を取り付け、1番のピストントップ位置を出します。
フェラーリのバルタイは0.5mmリフト時の表記ですが、バルブクリアランスに左右されるため、僕はカムの最大リフト点で調整しています。ただし、バルタイ数値はメーカーの数値に合わせるようにしています。バルタイを変化させる事でエンジン特性を変化させる事も出来ますが、僕はフェラーリエンジンでのチューニングの経験が無い(バルタイの美味しいトコロを知らない)し、僕より何倍も頭の良いメーカーの人たちが決めた数値ですから、エンジンがノーマルの場合はメーカー指定値に合わせるようにしています。



下のゲージで、カムの最大リフト点を探します。
実際はカムの最大リフト点には幅がある為、最大リフト前後0.3mmの位置で計測しています。そして、その時のクランク角度を読み取ります。



ちょっと見にくいですが、赤い印の指す位置は「108°」
メーカー公表値から割り出した中心位置は「112°」と「4°」ずれています。




カムのボルトを緩めて、カムプーリーに刺してあるノックピンを外します。
目標の角度112°までクランクを回転し、ピンを刺し直して終了です。
今回は、隣の穴に刺してベストな位置が出ました。
ひょっとして前回修理したトコが刺し間違えたのかもしれませんね。
ちなみにプーリーに書いてある「下」の文字は僕が書いたものではありません。ちょっとセンスないですよね。



変更後、再度計測します。分度器の指す位置はジャスト112°
通常±1°ぐらいの違いはOKとしているのですが、今回はドンピシャの位置になりました。



続いてインテークカムと左バンクの計測もします。左バンク・エキゾーストも調整しました。
バルタイがバッチリ決まると、気持ちいいです!きっとエンジンフィールも変わったハズです。



最後にカムカバーを付けて終了です。
車名の由来でもある、テスタ・ロッサ「赤い頭」の象徴、赤いカムカバーも綺麗にしました。




エンジンを車両に搭載して、左右バンクの同調をとります。
今回はバルブクリアランスも変更したので狂いを調整します。
最後にCOを調整して完了です。
水平対向エンジン独特の鋭いレスポンスもよみがえりました。