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2009-04-09

ベンツのディーゼルエンジン③

テーマ:整備・修理


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今回はヘッドオーバーホールが目的では無く、グロープラグ取り外しに端を発っしたヘッド取り外し作業ですが、せっかく外したのでそのままでは取り付けず、各部を点検して取り付けます。


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バルブステムシール交換。
走行18万キロなので、オイルの混入などを考えると交換しておくべき部品です。以前もお話しましたが、ドイツ車には専用のリップシール保護カラーが付いてきます。


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インテークバルブ使用前、使用後。どっかの添加剤メーカーの写真みたいですが(笑)
NOx低減の為にEGR(排気ガス再循環装置)しているのである程度のスラッジ付着は宿命みたいなものですが、ここまで付着していると洗浄するのも気持ちいいです。


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エキゾーストバルブ。
ステム径はINの6mmから7mmへ太くさせています。ただコレット等を共通化させたいが為に(コストを抑える為)取り付け部分はINと同じく6mmになっています。そしてこのバルブは、ディーゼルエンジンは熱負荷も高く、特にエキゾースト側は高温になる為か、バルブの途中で別素材をくっ付ける「軸接」をおこなっています。(バルブ中央の色が変わっていところ)バルブ傘側は、おそらくインコネル材で、ジェットエンジンの一部にも使われる耐熱性の高い材料です。当然コストも高い部品です。
巷では「W210以降のベンツはコストダウンが激しい」と言われていますが、お金掛けるトコにはしっかり掛けてますね。(他メーカーでもディーゼルエンジンでは常識的に使われている素材かもしれませんが)なんたってベンツですからねー。
でも、軸接部分がカーボンカッターとしての役割も持たせているところにコストダウンの影がチラホラと・・・軸接部分はガイド内に納めた方が良いように思うのですが・・・どうなんでしょうか?

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ずらりと並んだインテークポート。しかもすごいストレートポートです。
ポート分岐点はマニホールドに付くいており、吸入した空気が整流される時間を長く取ってからシリンダー内に入れる考えのようです。空気と燃料を良く混ぜる必要のある(予混合燃焼)ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンなどと同じく、タンブル流(吸入空気の上下方向の過流)強化が重要なのかもしれません。ただディーゼルの燃焼は、それだけで一つの学問があるくらい難しいので、僕にはハッキリした事は分かりませんが・・・


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バルブのすり合わせをして密着を高めます。
ディーゼルは、ガソリンエンジン以上に圧縮は重要ですからね。


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フロント周りがバラバラに・・・
オイルクーラーホースも交換したみたいです。右ヘッドライト奥にオイルクーラーがあります。


2009-04-07

ベンツのディーゼルエンジン②

テーマ:整備・修理

メルセデス・ベンツのディーゼルエンジン 606型エンジン。


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シリンダーヘッドを取り外したところ。
ブロック右にあるのが、燃料噴射用ポンプ。
BOSCHが初めて開発して以来、長く使われていた列型タイプのポンプです。クランク軸からチェーンで駆動され、クランクの1/2回転に落として各気筒に燃料を送ります。606エンジンは、EREといわれる半電子制御燃料噴射装置を採用しています。燃料分配と進角機能は従来通り機械式で、エンジンのドライビリティに関わるガバナー機構(燃料増減)やブーストコントロール。又エミッション関係(EGRなど)などが電子制御されてます。
ちなみにW210のEREは、エアフロ(吸入空気量センサー)なども付き、より細かく制御されています。


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606エンジンのギヤトレーン部分。
当時は画期的だったであろう4弁DOHCエンジンのカム周り。
ディーゼルエンジンは高圧縮化の為、ヘッド側に燃焼室を作らないのでガゾリンエンジンの侠角ツインカムと同じレイアウトになっています。センターにある(ガソリンエンジンではプラグ位置)にインジェクションノズルがあります。ちなみに現在は、CDI「コモン・レール式」ではインジェクターもガソリンエンジンの様に電子化され、年々厳しくなるEuro規制(排ガス規制)をクリアさせています。


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インジェクションノズル下にプレチャンバと言われる予燃焼室があります。
ディーゼルエンジンの燃焼室形状には色々な種類がありますが、606エンジンは「予燃焼室式」が採用されています。火花点火(強制点火)のガソリンエンジンとは違い、軽油を自己着火させて回転しているディーゼルエンジンは、圧縮された高温の空気に燃料を噴射して着火させています。
液体燃料の噴射→蒸発→混合気形成→着火→燃焼のプロセスを経て行なわれます。
このうち燃料噴射~着火までの予燃焼期間をプレチャンバ(予燃焼室)内で行ないます。

又、グロープラグもこの予燃焼室内にあり、冷間時はグローで圧縮熱を上げて始動しやすくしています。グローが固着するのもここで、当然今回は、予燃焼室は徹底的に洗浄してあります。

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グロープラグはプレチャンバに向かって↑のように付いています。
他メーカーでも採用されているBOSCHのセラミックグロープラグですが、固着して取れなくなるのも困り者、しかも同じセラミックグローなのに国産のグローの方が点灯時間が短いような・・・


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ヘッド裏側から。
中央にあるのが予燃焼室の噴射口。
プレチャンバ内で圧力の上がった未燃焼ガスがここから放射線状に噴出します。
バルブ径は、ガソリンエンジンに比べて随分小さいですね。ガソリンエンジンに比べ、高温になるのでヘッドの肉厚も必要になるし、ターボチャージするので、バルブ径はそれほどシビアでは無いかもしれませんね。

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ピストン側。
直噴式だと、ピストンにハート型に窪んだ燃焼室がありますが、過流室式の606にはプレチャンバ(予燃焼室)の逃げだけで、燃焼室はありません。
放射線状になったカーボンがプレチャンバから出た噴流の跡です。

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ピストントップも洗浄しています。
ピストンはベンツ定番のマーレ製。ディーゼルは、熱負荷が大きい為かピストントップにコーティングがされています。同時期であるガソリンの104エンジンなどもスカートにコーティングが施されていましたので、この辺りの時代からコーティングが積極的に採用されてきたのだと思われます。

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ヘッドボルトの取り付け部分も洗浄。
正確な締め付け力を得る為には必要な作業です。

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ヘッドガスケットはメタル製で、ディーゼルだけに作りもゴツイです。
ガソリンエンジンでのメタルガスケット使用は、確かV6エンジンからだったと思いますのでディーゼルエンジンの方が採用が早そうですね。

2009-04-05

ベンツのディーゼルエンジン①

テーマ:整備・修理

僕の担当している作業では無いですが・・・


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97年メルセデス・ベンツG300DT(ディーゼルターボ)
メルセデスのオフロード車(Gはドイツ語でオフローダーの意味)で、デビュー当時から現在も変わらないそのスタイルが人気です。
今回は車検整備で入庫。
手を掛けながら大事に乗られている車で、今回も車検以外にもメンテナンス作業のご依頼を頂きました。

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正規輸入車には無い(Gモデルは)エンジンで、3リッターディーゼル・ターボです。
このエンジンは、乗用車として世界ではじめて、4バルブ・ディーゼルエンジンが採用された事でも有名です。日本では「臭い・ウルサイ」など良いイメージが無いディーゼルエンジンですが、ヨーロッパではディーゼルエンジンが人気です。特にメルセデスのディーゼルは昔から定評があり、僕も昔、初めて190Eのディーゼルを乗った時、言われるまでディーゼルエンジンと気付かなかった覚えがあります。

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取り外されたシリンダーヘッド。
グロープラグの交換依頼を頂いての作業ですが・・・

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グロープラグと言えば、ガソリンエンジンのスパークプラグと同様に作業自体はひじょうに簡単なのですが、中にはカーボンで固着してビクともしない場合があります。熱したり、外からカーボン除去剤などを吹きかけてもダメな場合、シリンダーヘッドを取り外してからグローを外します。

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プレチャンバ(予燃焼室)からグローを見た画像。
見難いですが、奥のボッチがグローの先端。
プレチャンバ内は、カーボンがびっちりこびり付いています。グローの先がプレチャンバ内で固着すると簡単には外れなくなります。僕も以前、E300DTで同じ経験がありますし、他社でも同様な事を聞きますので、どうやら走行15万キロを超えたあたりでこの症状が出るようです。

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グローを取り外した画像
グロープラグは、先端以外中身は空洞なので無理な力が掛けれません。ケミカル剤でカーボンを溶かしながら少しずつ外します。

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以前作業したE300DTのヘッド。
どうしても取れない場合は、グローを壊して外すしかありません。壊して取り外した場合はヘリサート(ネジ山を修正する道具)で、ネジ山を修正します。


次回、せっかくなのでベンツ・ディーゼルエンジンを紹介します。

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