パパはニュースキャスター 1 [DVD]/田村正和,浅野温子,西尾麻里


 伴一彦というベテラン脚本家がいる。代表作が『スチュワーデス刑事』って言えばおわかりだろうか。1954年8月3日生まれの福岡県出身で日大芸術学部で映画学科脚本コースを専攻。1981年頃から本格的に脚本家の活動を開始し、現在までTBSの『パパはニュースキャスター』やフジの『スチュワーデス刑事』を始めとする数々のドラマをヒットさせてきた。彼のドラマは子供がいっぱい出て来るほのぼのとしたものだったり、二枚目の田村正和がお茶目な役をするコメディだったり、パソコンが絡んだハイテクなものだったり、ロマンチックなラブストーリーだったりと多種多様である。しかしながらどのドラマにも共通して言えるのは人間が良く描かれているということだろう。そしてその辺が脚本家伴一彦が長いこと第一線で活躍してきた理由だと思われる。
また、中山美穂の出演作も多く、ある意味中山美穂を育てたのは伴一彦かも知れない。

 特筆すべきは彼の書いたドラマの主題歌、もしくは挿入歌に名曲が多いということ。
 ということで今日はその伴一彦脚本のドラマの主題歌(もしくは挿入歌)を集めてみました。
 いかに彼のドラマやその音楽が時代を作ってきたかを再認識することだろう。


星屑のステージ - The Checkers

1984年TBSのドラマ『うちの子にかぎって』の主題歌。ドラマは田村正和がちょっと頼りない小学校の先生を演じ、子供たちや同僚の所ジョージらが絡むコメディドラマ。田村正和のコメディドラマ路線の第一作とも言える。
チェッカーズのこの曲は「ギザギザハートの子守唄」(オリコン8位)、「涙のリクエスト」(オリコン2位)の後、初めてオリコン1位になった「哀しくてジェラシー」に続くオリコン1位となった。3週連続1位で年間8位にランクされている。

その後、1985年にTBSのドラマ『子供が見てるでしょ!』で田村正和が幼稚園の園長先生になり、またもや所ジョージがその幼稚園の先生としてコミカルに絡む。田中美佐子、中村れい子、広田玲央名らの女優たちがクセのある女の先生役でいい味を出している。 

COMPLETE THE CHECKERS ~ALL SINGLES COLLECTION/チェッカーズ



Oneway Generation - 本田美奈子

1986年中山美穂主演のフジテレビ系青春ドラマ『な・ま・い・き盛り』の主題歌「WAKU WAKUさせて」がオリコン3位となった後、1987年、TBSのドラマ『パパはニュースキャスター』で田村正和が田原孝太郎ならぬ鏡竜太郎というニュースキャスターを演じ、浅野温子がそのサブキャスターで恋人というコンビで大ヒットとなる。

ドラマは田村正和が浅野温子という恋人がいるのだが過去に何人もの女性と一夜限りの関係を結んでしまった結果、「愛」と書いて「めぐみ」と読む苗字の違う娘が3人も押しかけて来て騒動が起こるというコメディ。
主題歌の本田美奈子の「Oneway Generation」もオリコン2位の大ヒットとなった。

その後1987年にフジテレビ『おヒマなら来てよネ!』で主演の中山美穂が歌う主題歌「CATCH ME」がオリコン1位になり、翌1988年には田村正和主演のTBS『パパは年中苦労する』の主題歌はTHE ALFEEの「WEEKEND SHUFFLE」はオリコン4位のヒットとなった。

1989年フジの月9ドラマである中山美穂主演の『君の瞳に恋してる!』の主題歌は村井麻里子「どうしようもなく恋愛(ラブ・アフェアー)」でオリコン最高位が25位。


JEALOUSYを眠らせて - 氷室京介

月9ではないがまさにこれぞトレンディドラマと言えるのが1990年のフジの『恋のパラダイス』。その主題歌がこの「JEALOUSYを眠らせて」。オリコンで2週1位を獲り、年間チャートでも11位にランクされている。

浅野ゆう子を軸にその妹役で鈴木保奈美と菊池桃子、男性陣も石田純一、陣内孝則、本木雅弘といかにもトレンディドラマの面々。浅野ゆう子は1988年のフジの『抱きしめたい!』(松原敏春脚本)ですでに人気となっていた浅野温子と共にW浅野として売り出してもらい人気者となり、フジの1989年のドラマ『ハートに火をつけて!』(これも松原敏春脚本)も好調だった。


Good-bye My Loneliness - ZARD

1991年のフジのドラマ『結婚の理想と現実』より。「Good-bye My Loneliness」はZARDの栄えあるデビューシングルである。オリコンでは9位を記録。わたしもこのドラマを見て気に入ってこの曲のCDシングルを買った。作詞が坂井泉水で作曲が織田哲郎。織田哲郎はこの頃いい曲をいっぱい書いていた。

ドラマは良く覚えていないが(笑)、石田純一の妻役はかとうかずこで、もう一組の夫婦が中村雅俊と田中美佐子だった。

それにしてもZARDも本田美奈子ももう生で見ることが出来ないなんて本当に寂しいですね。

1991年フジの冬ドラマ『逢いたい時にあなたはいない…』は、中山美穂主演で遠距離恋愛を描き平均視聴率22%の大ヒットになった。中山美穂の相手が大鶴義丹で、仕事で札幌に転勤になった先で設楽りさ子(現三浦りさ子)に言い寄られる。主題歌の中山美穂『遠い街のどこかで…』もオリコン3位の大ヒット。ただ、この曲はジャネット・ジャクソンの「Escapade」(1990年に3週連続で全米1位)に似ている。


もう恋なんてしない - 槇原敬之

1992年4月開始の日テレの土曜9時ドラマ『子供が寝たあとで』より。オリコンで2位まで上がり、年間チャートでは7位にランクされるビッグヒット。

柴田恭兵、三浦洋一、風間トオルが独身だが子供がひとりずついる。子供が絡む伴一彦の集大成的な作品だったが、以前のTBSのその手のドラマほど切れ味がなかった。


世界中の誰よりきっと - 中山美穂&WANDS

伴一彦は1992年にもう一本連ドラを書いている。フジの水曜ドラマ『誰かが彼女を愛してる』で中山美穂を根津甚八と的場浩司の親子が好きになってしまうというラブコメディ。これも本音をいうとそれほどパットしないドラマだったが、主題歌は中山美穂とWANDSで183.3万枚売上げのビッグヒットとなっている。オリコンで4週連続1位。翌1993年の年間10位にランクされている。 

この曲のCDシングルにはアップテンポのメインバージョン(メインボーカルを中山美穂、コーラスをWANDS上杉昇が担当)とバラード風のPART II(メインボーカルが上杉昇、コーラスが中山美穂)が入っていてサビの歌詞を歌う順序も一部変更して歌っている。ドラマでもメインバージョンが主題歌でPART IIが挿入歌として使われていた。
この曲の作者はその中山美穂と上杉昇が作詞、作曲は織田哲郎。

根津甚八がついこの間、役者を引退して驚かされた。もっとも衝撃度は水嶋ヒロの方がずっと上ではあるが・・・。

中山美穂 パーフェクト・ベスト/中山美穂



ドラマティックに恋して - 広瀬香美

1994年4月開始のフジの月9ドラマ『上を向いて歩こう!』より。「ロマンスの神様」をその年の年間2位となるビッグヒットにした広瀬香美の「ロマンスの神様」に続くシングルとしてオリコン4位のヒットを記録している。

ドラマはテレビ局の新入社員の西田ひかるとその上司の舘ひろしが対立するコメディ。当時アメリカにいてこのドラマを観ていないわたしはあまりコメントできないのだが・・・。

1994年、更に伴一彦はテレ朝のドラマ『ママのベッドへいらっしゃい』を書く。風間トオル主演、古谷一行、藤谷美和子、黒木瞳、そして当時SMAP在籍の森且行が出ていた。

hirose kohmi THE BEST Love Winters/広瀬香美



愛の言霊 ~Spiritual Message~ - サザン・オールスターズ

1996年4月開始の日テレ『透明人間』の主題歌。オリコン2週1位で年間チャートでも7位にランクされている。
香取慎吾の初主演ドラマで他に深津絵里、山田麻衣子、石田純一らが出ている。香取扮する主人公が透明人間となって悪事を暴くという物語で、香取の全裸、尻丸出しの演技が話題となった。(ウィキペディア参照)

海のYeah!!/サザンオールスターズ


翌1997年からフジで2時間ものの『スチュワーデス刑事』が始まり、シリーズ化される。
お馴染み財前直見、水野真紀、木村佳乃のスッチーのトリオが刑事の村田雄浩と組んで難事件を解決する。
挿入歌である映画『八十日間世界一周』のテーマ曲「Around The World」はヴィクター・ヤングによるもので1957年に全米チャートの20位を記録している。


Destiny - My Little Lover 

1998年4月開始のフジのドラマ『WITH LOVE』より。オリコンの最高位は4位だが50万枚を超える売上を記録している。作詞・作曲はもちろん小林武史。

作曲家の竹野内豊がメールで曲を送る時に間違って銀行員の田中美里に送ってしまい、そのアクシデントをきっかけに二人がメル友となり、惹かれあっていくというロマンチックなラブストーリー。
わたしは曲もドラマも大好きでした。もっとも、ドラマの最終回はイマイチだった。田中美里に合コンで知り合った商社マンの及川光博がいい寄るのがコミカルで良かった。

Best Collection ~Complete Best~/My Little Lover


1999年にはNHKのドラマ『双子探偵』(主演はマナカナ)、1999年に『砂の上の恋人たち』(主演長瀬智也、出演本上まなみ、奥菜恵、菅野美穂など)。『砂の上の恋人たち』の主題歌はACOの「悦びに咲く花」。

悦びに咲く花/ACO



キミにKISS - hitomi

2000年10月開始の日テレのドラマ『ストレートニュース』より。オープニングテーマがglobeの「DON'T LOOK BACK」(オリコン5位)でエンディングテーマがこのhitomiの「キミにKISS」。

夜のニュース番組の敏腕プロデューサーが三上博史、キャスターが米倉涼子、社会部記者が原田知世と大塚寧々という地味なようで豪華なメンバーでもある。

2001年の日テレの『レッツ・ゴー!永田町』は主演がとんねるずの石橋貴明ということもあり、あまり成功しなかった。しかしながら、主題歌のDA PUMPの『All My Love To You』はオリコン6位となっている。


Ring - 平井堅

2002年10月開始の日テレのドラマ『サイコドクター』より。精神科医を竹野内豊、その医院でひょんなことから働くことになるのが市川実日子。主題歌である平井堅の「Ring」は見事オリコンの1位を記録している。


衝動 - B'z

2004年のNHKドラマ『恋する京都』(主演鶴田真由)の後、日テレで『喰いタン』(2006年)、『喰いタン2』(2007年)がヒットする。主演東山紀之、最近上戸彩と別れてしまった森田剛、子役の須賀健太のトリオに、市川実日子、京野ことみ、佐野史郎といい味を出していた。
1の方の主題歌のB'z「衝動」は当然のことながらオリコンで1位。また、2の方の主題歌は東山、森田、須賀健太くんとでユニット”トリオ・ザ・シャキーン”を組んで歌った「愛しのナポリタン」でオリコン3位のヒットとなっている。

2007年TBS日曜劇場の『冗談じゃない!』は主演の織田裕二が主題歌「Hug,Hug」を歌ったが、特にヒットはしなかった。織田裕二の彼女である上野樹里の母が織田裕二の元カノの大竹しのぶだったというユニークな設定で上野樹里の妹の一人が仲里依紗だった。

後はわたしは観ていないが、
2008年NHKの『七瀬ふたたび』(多岐川裕美主演)
2009年WOWOWの『隠蔽指令』(高橋克典、髙嶋政宏主演)
2010年日テレの『離婚シンドローム』(中谷美紀主演)
とまだまだ健在であるようだ。