東京へ向かった日。
叔父に迎えに来てもらい、何も考えずに現地のホテルまで到着したが、ホテル到着後爆弾低気圧で大嵐に。
いろいろ周囲を探検したかったのに周囲どころか、娘がこれから住む学生マンションも見れず、ホテルに缶詰状態だった。
次の日。
やっとマンションへ。
おおおお!!
一度も物件を見ずに決めた割には良い印象。
お隣さんも今年引っ越してきた同大学の生徒さん♪
5階建てのマンションだが、一階が店舗となっていて、その店舗の店主さんがマンションのオーナーさんで、最上階に住んでいるという・・
・・・
まぁ、しかし今時は、管理会社に管理を任せているだろうから大家さんと言っても、特別なお付き合いはないだろうと思っていた。
不動産屋さんによると、ご近所さんや大家さんへのご挨拶の菓子なども用意しなくていいということだったが、私たちがマンションへ入ろうとすると、店舗の裏のドアからスッと出てきた人と出会う。
「お!何か御用ですか?」
そう尋ねてくる男性は、茶髪にチェックのシャツにベストにジーンズという出で立ちで、丸いめがねをかけている、元ジャニーズ所属風の60代くらいの人だった。
「はい。明日、こちらへ引っ越して参ります○○と申します」と応えると・・
「アラ~~~♪そうですか!私、ここのマンションのオーナーで○○です!どちらから来たの?」と名刺を渡され聞かれたので・・
「北海道札幌市からです」
と応えると、またまた・・
「アラ~~~~~~~~♪そうなの!!!・・・・あれ?確か・・北海道出身の方は他にもいますよ!うーん、確か3名くらいだったかな?分からないことがあったら、何でも聞いてくださいね~ホントにね~~~~」
と、言い残し、颯爽と立ち去った。
・・・・
娘と二人、オーナーさんの強烈なインパクトに驚き、互いに頭の中で感じていた印象を語り合い、これからは親しみをこめてオーナーさんの事を『ピエール』と呼ぶことにしようと決めた。
こんなに気さくなオーナーさんがいて、お隣さんも同じ大学生なら、挨拶周りをした方が良かったと後悔していたら、近くのデパートで北海道物産展をやっていることを知り、その物産展で菓子を買い急遽、ご挨拶に行くと・・
ピエールは・・
「アラら~~~~~~~~~~!!!どうもすみませんね!」
と大きな声で言ったあと・・
以前、盲腸や過労で倒れた学生さんが自分で救急車を呼んだ話をし、
「あのね。○○(号室)の番号押してくれれば、おじさん夜中でも起きるから、一人で救急車なんか呼ばずに、すぐに知らせなよ!ちゃんと病院まで運んであげるから!困ったことがあったら何でも相談しなさい!」
と言ってくれた。
・・・・。
なんちゅうか、こう・・一瞬、安心なのか、どうなのか微妙な空気が漂った。
その後も・・
不振な男性(私の叔父)が侵入しようものなら、すぐに店から出てきて「何か御用ですか?」と聞くし。
エレベーター横のスペースに謎の焼き物や石造りのカエルや灯篭を置くし。
今日も・・娘と「ピエールさん、カエルや灯篭の場所を変えてみたりしてる~!と、ピエールの話題で盛り上がったし・・
まぁ、マンションをこよなく愛している悪い人じゃなさそうなので、素直に安心することにした。
それにしても、ウチはこういうインパクトのある人との出会っちゃうのかなと思った。
つづく。
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